表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Nadia〜スターライトメモリー〜  作者: しふぞー
義勇に躍るマリオネット 編
31/131

傀儡とエピローグ

「どうだった?」


 特異点「傀儡」のアーカイブが終了してフリートはニコニコしながら感想を求めてくる。

 ここは正直に答えるべきだろうか。


「ポラリスという男、本当に強いな。隙が無さすぎる」

「それは当然だ。何せ彼はこの時代で間違いなく最も強い人物だからね」


 見ればわかる。シンプルに力押しで叩き斬る接近戦能力。フューズ、エーテル、マナの三導力を全てハイレベルで使いこなし、視界の果てまで消し飛ばす火力のアーツ、何よりも予備動作無し制限なしで発動する固有魔法。インチキで済まされるレベルではない。

 不意をついてグラフトを破壊することは出来ても生身は有り余るフューズの影響で耐久力は比にならないはずだ。

 心の蔵を貫かれても、きっと無事でいてしまうのだろう。


「でも僕が君にこのエピソードを勧めたのは別に強さじゃない。ポラリスが言っていた、『自分の身に余る力を使ってはならない』ということさ」


 その言葉を聞いたときにドキンと心臓が跳ねるような衝撃を受けた。身に覚えはない。何せ記憶が無いのだ。

 いや違う。記憶は無くても()()()()()()()()()()のだ。


「その反応は、図星かな。君の記憶が無くなったのは、ここにやってきたのは、きっと身に余る力を使ってしまったからなんだろうね」


 自分のことは何もわからない。けれどここにいるべきではないという確信がある。何か、記憶を代償にしてでもやり遂げたい何かが。


「俺は、何も覚えていない。だからもっと教えてほしい、何か、俺のことを思い出させるような、何かを」


 俺がなんとかそう言の葉を紡ぐと、フリートはたいそう喜んで幾万というアーカイブの山を一瞬で背後に築く。


「いいとも。では早速次のアーカイブを見るとしよう!」





 これは自分を忘れた者が見る物語。|スターライト・メモリー《星光のような記憶》を見る物語。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ