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プロローグ

「約束を果たそう、何度でも果たそう」


 折れた剣に空色の髪の少年が片膝をついて誓いを立てる。傍には桜色の髪の少女が心配そうに見つめている。


「だから僕に、拓く力を…」


 剣が瞬く間に再生し、そして少年は剣を片手に一歩を踏み出して少女と共に光の向こうへ消えていく。



 瞳を閉じればいつでも鮮明に甦る。体躯はそこまで大きくはないが、青年へと成長した空色の髪の男はその髪と同じ色の瞳で目の前に広がる世界を見つめている。


「今日は何の思い出を思い出していたの?」


 隣に立つ少女は青年の体躯だが既に達観したかのように穏やかな瞳でこちらを見つめていた。まるで宝石のように透き通る瞳には鏡のように自分の姿が映っている。燃えるような燃えるような(フレア)ピンクの髪の女は一片の曇りのない微笑みを見せてくれていることに男は既視感を覚える。


嗚呼、あの日の光景のようだと、


 男は女と同じように微笑む。


「ナディアと約束をした日のことさ」


 男と同じように女もまた目を閉じればその時の記憶が甦るようで静かに、そしてゆっくりと一瞬だけ瞳を閉じる。すぐに開かれた瞳には確かな"強さ"を持っているようでやはり穏やかなままだ。


「後悔はしていないんでしょ?」

「当然だ。大丈夫だ、君が傍にいてくれる限り、立ち止まることはない。そろそろ時間だ、行こうか」


 男が女に対して手を伸ばす。女も最高の笑みと共にその手を取る。

 そして天底より広がる世界へ駆け出していく

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