7.たぶん激怒したあの人より速いと思う、だってあの人歩いてたもん
ようやくヒロインちゃんを出せるー
男臭い話ばっかりですいません。
挽回していきたい。
「つーかーれーたー」
6時間目が終わり、思わず机に突っ伏す。
いやおかしいでしょ1日に数学2時間あるの。問題の出された経緯とか言われてもわかんないから。
生粋の文系マンの河崎が死んだ目をしているのと、純正理系マンの黒木が生き生きした目をしているのが対照的だ。
今日は部活無いし、何しよっかなー。
終礼になって、使用可能になった携帯の電源を入れる。
「あゔぇいらぼー」
「何を言っているんだお前は」
仁兄ぃ師匠に突っ込まれた。覚えたばかりの英単語って使いたくなるじゃん?
通知が1件入っていた。
なんだろ?
『3:45に駅に来てね♬︎』
愛しい人からの、2つ目の試練だった。
うそやん。
現在時刻は......3:15。
電車に20分揺られるとして......、うん。
「あと10分で駅に着けと!?」
歩いて20分の距離を半分の時間で走破するのって尋常じゃなくしんどいよ?
未来さん僕の学校の所在地分かってるよね?
しかし愛する人のため、この程度の困難、乗り越えて見せよう。
昨日までの精神的苦痛に比べれば屁でもないさ。
持久走なら学年の上位20%にもなるんだ。
愛の力で、太陽の10倍は早く走って見せるぞ*。
「うおおおおぉ」
「まだ終礼中ですよ。なに騒いでるんですか?」
先生に白い目で見られた。
すみません、人には、やらねばならぬ時があるのです。
でも終礼が終わるまでは大人しくしていよう。
.........
......
...
〜下校開始直後〜
「( 'ω')ウオオオオオオオイアウオオオオオオオ!!!!!」
〜下校2分後〜
「(`・ω・´)ふぉおぉおおおぁ!!」
〜下校5分後〜
「(ー"ー;)ゔっ、うおおおおぉ!」
〜下校8分後〜
「(;´Д`)ハアハア、ハアハア」
〜下校10分後〜
「(;´д`) ゼエッ、ゼエッ」
なんとか急行に間に合った。
しぬかと思った。
しかし僕は成し遂げたのだ。
会うまでに息くらい整えておかないと。
.........
......
...
汗は乾かなかった。
時計を見ると、15:44。
改札口を通ると、待ち人来たれり、といった表情でこちらに歩いてくる制服姿がひとつ。
「汗びっしょり。必死だね」
「お陰さまで。でも、かわいい自分の彼女の為ならね」
あ、ちょっと顔が赤くなった。
「...自分でまいた種だけど、尽くしてくれるのは素直に嬉しいな」
う、こっちまで赤くなってきた。
「それに、彼女彼女ばっかりで、私を三人称呼ばわりするのは頂けないな〜。
ちゃんと、恋人らしく、二人称で呼んでよ」
「うっ」
気付かれてたかー。ちょっと気恥ずかしかったんだよなー。
だがこの大倉、転んでもタダでは起きない。
カウンターを叩き込んでやろう。
「分かった、未来にゃん」
「(///﹏///).。oஇ、〜〜〜ッ」
なんか凄い顔になった。
見ててこっちも悶えるわ。
「ふ、普通に呼んで頂けるとうれしいです」
「分かった分かった」
敬語を使わせることに初めて成功したかもしれない。
*タイトルの奴と同じくだりです
太陽の10倍の速度として計算すると、音速超えるらしいですね。
初めてヒロインちゃんを悶えさせることに成功した主人公及び作者。
これからどうなっていくのか
ブックマークひとつで作者のやる気を上げてやってください。
変更:16:44→15:44
すみません、間違えました。
1時間以上歩きやがって
これじゃメ〇スより遅いじゃん
タイトル詐欺じゃん