16.スポーツで強い者は例外なくゲスい
部員が1人、紹介されます。
ああー男女比が偏る音ー。
始まります。
授業が終わる。
ああ、英語楽しい英語楽しいエイゴタノシイエイゴタノ...
いかんいかん、洗脳されるところだった。
まあ、実際英語って楽しいんだけどさ。
なんか、発想が広がるというか、世界が広がるというか。
でも、満面の笑みで半ば脅迫するかのように「英語大好き」って言わせるのはどうかと思う。
ともかく、ここからは部活だ。一旦英語は忘れよう。
体育館に向かう。なんでうち私立なのにこんなに施設が微妙にボロボロなんだ?
ともかく、
「たいちー、会いたかったー!」
「大袈裟やなあ。彼女さんに取っておきや」
未来様にその言葉を取っておくのはその通りかもしれないが、決して大袈裟では無い。
この学校唯一の癒しが無下にされていいだろうか、いや、良くない。反語。
一緒に準備をする。何だか上級生ばかりが酷使されてる気がする。先輩のために働いてよ後輩たち。
残念ながら、それを言う勇気は無いので黙々とこなす。上級生と真面目な下級生数名でやる。偉いなー、お前たちは。
まあ、神と共にすることはなんでも楽しいから僕にとってはプラスでしかない。
ワイヤレスイヤホンを片方差し出し、一緒に聞く。
至福ー。
『神様ー、私欲しーの、メル〇デス・〇ンツ*』
英語の歌詞って何言ってもかっこよく聞こえるよなー。
.........
......
...
練習が始まる。
今日は誰とやろうかなー。
たいちーは最近ずっとやってるし、他の信者にも譲ってやらないと。
あ、
「おじーちゃーん、やろー」
「いいよ」
良し、取り付けられた。
おじいちゃんといっても同級生だ。山内という立派な名前があるが、腰を壊してコルセットをしていた時からそう呼んでいる。
但し、このおじいちゃん、めちゃめちゃ強い。
どのくらい強いかと言うと、県大会では、1人を除いてボコボコにできる程強い。
高校からこいつが編入してきた時から、この学校の順位がどんどん上がっていった。
そんな化け物とやる訳だが......
「やば」
分かってはいたが、質が違う。
来るボールが全部、スマッシュに見える。
こわい。
でもな、こっちも4年はやってるんだ。粘り強さだけなら負けない、はず。
うぉおおおお!!
前、後ろ、右、左、前、前、前ぇええ!
ちょっと球が弾んだ。
来る、スマッシュ、後ろーー!
めっちゃ手前に落とされた。
性格悪いわー。
*Janis Joblin『Mercedes Benz』
良かったら、聞いてみてください。
作者の大好物です。
主人公は決してスポーツ下手ではありませんので
周囲にチートが多いだけなのです。
多分次回、ようやくヒロインちゃんを出せます。
ご期待ください。




