1.prologue
初投稿です。よろしくお願いします。
僕は馬鹿だ。
とはいえ、全くの無能という訳ではない。
高校生としての平均的な素養はあるし、平均的な運動能力も身につけている。
友達が居ないわけでもなく、休み時間の潰し方に難儀することもない。
むしろ、普通に良い、と言われるかもしれない。
それでも、僕は馬鹿だ。
オタクなんてものをやっている。決して後悔している訳ではない。良い友達に恵まれたもので、からかわれこそすれ、卑下されることは全く......いや、それ程......、両の手に余るのだがどうすればいいのだろう。...兎も角、それで付き合いを辞めるようなわけでは無いので良しとしよう。
同じ趣味をもつ仲間もいる。共に好きなキャラについて語り合ったり、名言や迷言で笑い転げたり、楽しい奴らだ。
しかし、家に飾られた戦利品の数々に見蕩れ、多幸感に浸っていると、ふと思ってしまう。
僕は、本当に好きなんだろうか。
ただ、仲間が欲しいだけなのではないだろうか。
自分の考えを肯定してくれる仲間が。
馬鹿な僕は、その仮説から目を背ける。盲目的に「愛」を謳い、誤魔化して。
オタ活という価値ある行為に泥を塗っている。
僕は馬鹿だ。
さておき、オタクをやっているとしても、僕は男の子だ。欲望はある。
具体的には、彼女欲しい。2次元以外で。
先の話でも垣間見えるが、僕は、自分を肯定してくれる人が欲しい。よって、当然の帰結とも言える。
願いの成就には難題がある。
1つ、オタクであること。
これは正直どうにだってなる。隠せばいいのだから。
2つ、対女子コミュ障であること。
厳しい問題だ。まともに女の子と話すなんて小学生以来だ。どうやって話すのかすら忘れた。そもそもどうやって話しかければいいのか。勇気でごり押すしかない。まあ、まだ何とかなるだろう。
3つ目、これは一番困難な問題だ。前二つは前座と言っていい。なんなら2つ目はこれに包含されている。
さっき女子との会話をしていないと言ったな。全くしていない訳じゃない。だが、実際にほとんどしていないのだ。
オタ活の流れの時、なぜ女子からキモがられるかもという話が無かったのか。それも、今、明らかになる。
学校生活を送っていれば、必然的に、仲のいい人以外とも関わることになる。勿論、女子ともだ。
それなのに、僕は女子と話す機会に恵まれなかった。
もう、どういうことか分かるだろう。
そう、うちは男子校だ。
僕は馬鹿だ。なぜこんな汗まみれで出会いのない青春時代を送らねばならぬ。楽しいけども。もっと甘酸っぱくてもいいはずだ。
さて、どうせ男子校だから好きな人すら出来ないかと言えば、そうでも無い。実際、この学校でも、彼女がいる奴はいる。そう考えれば、女子と話せていないのは、自分の怠慢と言えるのかもしれない。
僕だっている。というか、ずっといる。
まあ、女子と関わりのない時代があるのなら、可能性はひとつしかない訳で......
僕の恋の最終学歴は小学生だ。もっと言うなら、まだ卒業出来ていない。僕はずっと彼女に恋をしている。僕の恋はその時から更新されていないままだ。
彼女は今、どうしているだろうか。誰かと付き合っているだろうか。考えるだけで胸が痛い。
僕の人生最大の後悔は、彼女と別れる前に告白出来なかったことだ。彼女は、多分僕のことは見てくれていなかったとは思うが、それでも、勇気を持って言うべきだった。0.1%は成功に繋がるかもしれないが、0%はどう足掻いても0%で、成功という結果が得られるはずがないのだ。
僕は馬鹿だ。大馬鹿者だ。
それでも、もし、そう、もしだ。
彼女と、もう一度出会うことがあるのなら。
次は、次こそは。
なんとかして伝えて。
僕は馬鹿「だった」、と言いたい。
その「反実仮想」は、「あらまし」な妄想は、
「理想」に、「あらまほし」に変わる。
いつもの帰り道、電車のホーム、階段を降りる。あー、部活疲れたな。ご飯ごはん......
そこで僕は、彼女を見る。
階段を上ってくるのが見えた。
前とは少し違っている。服が違う。身長が違う。何より、眼鏡をかけている。
それでも分かる。整った顔、セミロングの髪、少し大きな目。かつての面影を残し、理想的に成長を果たしているようにみえる。
突然の再邂逅に驚きつつも、焦る。
彼女は僕に気づいていない。
そりゃそうか。僕も背が伸びて変わってしまったし、そもそも、数年来会ってもいない僕を覚えいてくれているかも怪しい。
しかし、このままでは、前と同じだ。
この後悔をまた引きずるのか。
違うだろう。
もう、後悔は嫌なんだ。
勇気を絞り出せ。
5m、3m、1m
「あの、」
僕の青春の流れが、今、動きを変える。
ゴールデンウィーク中はある程度書けると思います。
評価とかしてくれると嬉しいです。
低評価してくれるとかなしいです。