表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/12

転生サキュバス2


「「「ご、ごきげんよう」」」

「おはよう」


私がそう返しただけできゃー、きゃー、黄色い歓声が上がる。

後輩ちゃんたちは今日も元気だなー。


えーっと、なんて言ったらいいのかな。ファンクラブ?憧れの人?なんでかそんな感じに

なってしまっている私です。


所でごきげんよう、ってどういうあいさつなんだろう?

取りあえずおはよう、って返してるけど別にこれでいいんだよね?

なんというか、いいとこのお嬢さん達が使ってるイメージはあるんだけどどう使えばいいのか分からない。


「毎朝、お疲れさま。いつも何時ぐらいに学校に来てるの?」


ここでポイント。話しかけるときはできるだけだれか個人を特に見て話さない事。

別に怒ったりはしないんだけど、あとで拗ねるんだ。


「私は七時です。」

「えっと、六時半です。」

「じゃあ、六時です!」


じゃあ、ってなにさ。そんなこと競わなくても。

え、っていうかそんなに早く来てるの?

毎朝校門のところで待ってるから早いんだろうなー、っては思ってたけど。

今、八時だよ。

始業が八時半だからこれでも早めに来てる方だと思ってたけど後輩ちゃんたち早すぎ。


「では、これで失礼します。」「「失礼します」」

「はいはーい。今日も元気にね。」


後輩ちゃんたちは(たぶん)長々と待っていただろうにすぐに去っていく。

前、長々と校門で話してたら私の友達に怒られたんだよなー。私にかける迷惑を考えろ、って。

まあ、迷惑っていう程でもないけど、校門のところで立ち話っていうのもあれだからね。



「ちなみに~、後輩ちゃんたちが言ってた時間はほんとだよ~。最後の子はのぞいてね~。」

「あ、アイラちゃん。おはよう。」

「おはよ~」


親友のアイラちゃんはすっごくおっとりした子でなんていうか、母性がすごい。

アイラちゃんには助けてもらってばっかりで足を向けて眠れないよ。

所で、後輩ちゃんたちの時間がほんとだって知ってるアイラちゃんの登校時間も気になるんですが。

まあ、別に聞かないけど。


「さ~、今日は何枚はいってるかな~?」

「うーん、今日は少ないんじゃないかな。ゼロってことも」

「それはないよ~」


さて、もう一つの恒例行事。靴箱に何枚入っているでしょうのコーナー。

大体がファンレターみたいな物で、たまにラブレター。後は後輩ちゃんたちの交換日記が数冊。

そんなところかな。

というか、なんで話したこともない自分にラブレターが来るのかなー。

恋愛した事がない身としては不思議でしかないんだけど。

話してみないと分からなくない?


そもそも

「なんで私なんかにこんなに手紙が来るのかな?」

ほんとに疑問に思う。

自分でいうのもナルシストみたいでいやだけどお母さんの血を継いでるから確かに私かわいいよ。

けど、そこまでずば抜けてるわけじゃないし。


「ギャップ萌だと思うよ~」

「ギャップかー。あー、そうかもしれないね。」


結果はいつもの後輩ちゃんたちの三冊と、手紙が五通でした。


「モテモテだね~」

「うーん、うれしいような、うれしくないような。」


知らない人からもらってもねー。

いや、知ってる人からもらってもそれはそれで扱いに困るけど。


ちなみにさっきの後輩ちゃんたちが交換日記を直接手渡ししないのも友人に怒られたからだったりする。

あ、アイラちゃんじゃない方の友人ね。あれ、この言い方だと私の友達の数がばれ・・・違うからね。

・・・・・・ともかく、後輩ちゃんたちは直接手渡しをして怒られ、

教室の机に入れては怒られ、という経緯があって、靴箱に入れるようになったの。

その友人のお説教の内容は聞いてないし、別にどこで渡してもいいと思うんだけどなんなんだろうね?


経験則から言ったらこの五枚のうち、一枚はラブレターっぽいのがちょっと憂鬱なんだよね。

お付き合いする気はないから断るんだけどその断るのが気が重い。

私は平凡な人だし、その内このモテ期もおさまるだろうけどそれまではちょっとめんどくさい、

と思ってしまったり。相手の純粋な気持ちを真っ向から断るのって疲れる。


「無視しちゃえばいいのに~」


ちょっと、アイラちゃん。エスパーやめてよ。え、私、分かりやすい?あ、はい、そうですか。

しかも心の中の天使と悪魔を戦わせる場面だったらそのセリフ完璧に悪魔だよ。


「でも、さすがに無視はちょっとねー。」

「律儀だよね~。まあ、そこも人気な理由の一つなんだけどね~。」


律儀なのやめたらこのモテ期収まるのかもしれないけどね。

それができないのが私なんだよなー。


私が三十分前に学校に来てるのも実はこういった手紙の返事を書いたりするためだったり。

まあ、足りないから休み時間にも書いたりするんだけどね。



ストック放出ナウ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ