転生サキュバス8
主人公には妹がいます。主人公みたいに転生してサキュバスの食事を拒んでいる状態ではありません。普通にサキュバスしてる子です。
「おじゃまー。」
きゅうちゃんとあいらちゃんを連れて家に帰ってきました。
二人を連れてくるのはなんだかんだ言ってかなり久しぶりな気がする。
いつからだったか、っていうと・・・・ああ。
家族がサキュバス的なあれこれをしてるのに鉢合わせてしまった時以来か。
あの時にもう家には二人を絶対連れてこない、って思ったはずなんだけどなー。ちょっと今日の私はポンコツかもしれない。こうなったら二人をできるだけ出歩かせない方針でいくしかないね。
「二人とも部屋は変わってないから先に行っておいて。私はお菓子とか取っていくから。」
「ムーちゃん、一緒に運ぶよー。」
「ありがとう。でもいいよ。そんなにないから一人で運べるし。先行っといて。」
「えー、でもー、なんか体調も悪そうだしー。」
あいらちゃん、ほんといい子。だけど今はその優しさが裏目に出てるよっ。どうしよう、ぱっと取ってくるだけなら出くわさないよね。うん、たぶん、
「これ、こういう時は家人の言うことに従うのも一緒の礼儀ぞ。先に部屋に行って待っておくがよいわ。」
「むー、ムーちゃん、先行ってるからねー。何かあったら呼ぶんだよー。」
「ありがと。っていうか、家の中だから何もないって。」
そこまで顔色は悪くないはずだけど。今日の体調もいつも通り空腹でちょっとふらつくぐらいだし。
きゅうちゃんのアイコンタクトに目でお礼を返して私はお菓子とかの準備。
多分、きゅうちゃんも前回の事件のことを思い出して部屋に行ってくれたんだろうなー。
はあ、その気遣いはうれしいけど、いやだな。完璧に前回のこと覚えているじゃん、きゅうちゃん。
そんなことをうだうだと考えながらもお菓子とジュースの用意。
呼ばないって思いながら二人がおいしそうに食べてたお菓子を用意しているとか未練たらたらか、私は。
お盆に全部乗っけて、っと。
私の部屋が二階だから階段を上がらないといけないし、ちょっと多すぎたかな。減らしていこう。
よたよたと階段を上る。
階段を上りきるとがちゃり、とドアが開く音が聞こえた。
二人のうちどちらかが、部屋から出てきたのかと思ったけど、違う。
クーちゃん(妹)の部屋が奥の方にあって、私の部屋がその手前。今の音は奥から聞こえたからクーちゃんの部屋からだ。