目を見て話そう
今日は待ちに待った入学式の日である。
隣には男物の制服を着てなりきってるメアリー。
そして男物を着ている幼馴染み(片思い相手)に戸惑ってるルト。
まぁ、概ね予想通りである。
二人を観察しているとルトと目があった。
目があった瞬間反らした私。
この状況の元凶ともいえる私にそっと近づいてきた。
「…おい。なんでメアリーは男物着ているんだよ。」
「な、なんで私に聞くのよ。気分かもしれないじゃない?」
目線を斜め上に見ながらとりあえずすっとぼける。
「いーや。大体メアリーが奇行に走る場合。黒幕には絶対にお前がいるんだよ!」
なんと信用のない。
「今回は違うかもしれないでしょ?あと、メアリーはどんな格好でも似合う。」
「…確かに」
「ルト。もう私達いい年頃なんだからあまりあれこれいうと好きな女の子に嫌われるわよ。」
「なっ、ばっ、なにいってんだよ!べ、別に!メアリーのことなんて思ってないし?!」
ちょっと突っつくと此れである。ルトをからかうのが止められない、やめられない。癖になってる。
メアリーの後ろでコソコソと喋っていたらいきなりメアリーはクルッと此方に向いてきた。
ルトは一人アワアワしている。
「何二人で話してるの?」
「な、なんでもねぇよ!それよりさ、どうしてメアリーは男物で登校してんだよ?」
今さっき私が言ったことを気にしてか恐る恐る本人に聞き出した。
勇者だなおい。
「ふっふっふー、似合っているでしょ?リリシャと相談して理想の騎士を目指してみました~!」
ルトは固まった。
よし、メアリーとさっさと登校しよう。
私達は固まって小声で可愛いを繰り返しているルトをおいていきましたとさ。