物語0歩目にして詰んでる。
10歳くらいの時かな。ルトがヒロインであるメアリーに気があるのはすぐ気がついた。遊びに誘ったりメアリーだけに優しさを発揮したりなど微笑ましいアピールを頑張っていたのだ。
いまいちアピールがわかってないヒロインことメアリーにコソッと好きな異性がいないか聞いてみた。
「え?好きな異性?あっ、よく使うカプとしてはルトが一番使うよ!」
満面の笑みで言われましたよ。
当時はルトよドンマイとか思っててゴメンな。今考えるとこの時から頑張って普通の女の子の感性を取り戻さなくてはと考えもせずその後どのカプが合うのか一緒になってキャッキャしてました。
時は戻り現在原作一ヶ月前、3人とも無事入学試験合格して喜んでいる時にここが乙女ゲームの世界だと私は気がついた。
気がついたからって何が変わる。ヒロインが腐ってしまっているのは変わらない。よし、決めた。
「ねぇ、メアリー。ちょっと私天才的なこと思いついたんだけど。」
「なぁにリリシャ?この前の飲み屋のオジサンとの絡みなら、やっぱりルトは右だよ!」
「…私は断然ルトは左だからな。って、イヤイヤ待てその話じゃなくてさ。」
危ない。初っぱなから脱線するところだったわ。
「メアリー選択学科騎士科でしょ?学園に通うとさ癒しが減るじゃない?」
ルトは商業科に通うからネタにする癒しが減る。そこをうまく利用させてもらう!
「そうよねぇ。けど騎士科なら男性率は倍だから何とかなるかなって思って。」
「なら、自分がネタになるのはどう?」
「え?どういうこと?」
困惑気味のメアリーに私はによによしながら説明する。
「メアリーが男装して絡むことによって妄想が現実にするのよ。」
メアリーの目が変わった。
「ちょっとなにそれ天才か!」