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乙女ゲームが壊滅的にできない  作者: 速水美羽
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運動音痴じゃないもん。


 あー、何で走らされているんだ。

 現在私達はグラウンドを走らされている。魔法を使うのに体力いる?って思うでしょ。実は一部の生徒には大事なテストでもある。

 選択科目に魔法剣士科というものもあり、魔法騎士を目指している生徒や冒険者でご飯を食べていくつもりの人にとっては絶対に落ちれないテストである。

 因みに錬金術科は糸を魔力で操り指定された針の穴に入れるという。繊細な魔力コントロールを見るためのテストである。老眼は絶対にできないとここで保証しておこう。


 グラウンド10周しろって、前世の体育の授業を思い出す。

 今世では小さい頃から遊びの一環でメアリーと森で薬草の採取のバイトをしていたから体力にはそこそこ自信がある。

 先頭の集団を追い越さないようにずっとキープしている。先頭って変なプレッシャーかかるよね。

 6周目に入るとスピードが落ちてきて後ろを走っていた集団を抜かす。抜かす時チラッと見えたが、あの根暗君がいた。不健康そうな顔がもっと悪く見える。というか倒れそう。

 まぁ、倒れたら誰かしら助けるだろう。そう思った瞬間ドサッと倒れる音がした。


 助けるだろうと思っていたら誰も助けない。流石に目の前で倒れたら心配するものではないのかな。中々起きないよ。誰かhelp


「ねぇ、大丈夫?」


 一応声をかける。しゃがんで顔をみるとゼーゼーと息を整えていた。何かブツブツ言っている。


「ボクは・・・じゃなぃ」


「え?何だって?」


「ボクは運動音痴じゃない!!!!」


 何も言ってないんだけど!


「おーい。どうした~?」


 そこへ魔法剣士科担当の先生がきた。助かった!


「彼が目の前で倒れたままでしたので。ただの体力が切れただけかと。」


 私の応えに対し先生は顔をしかめた。


「……。どちらかといえば身体強化の術が切れただけだな。」


「えっ、体力テストですよね?」


「まぁ、基本的に体力テストだな。だが一部の貴族には10周って無理なんだよ。だからこいつみたいに普段使わない身体強化なんて無謀をしてぶっ倒れる。」


 お前は戻っていいぞー。そう言われて私は残りを走りきる為に戻った。

 


 先生にお姫様抱っこされて校舎に戻る根暗くん。

 これは新しい組合わせができる予感!いや、作れる!!色々とたぎるわぁ~!

 妄想のネタと今後の展開にワクワクしながらいつの間にか残りを走り切っていた。

 

 メアリーに布教したのはこの私だよ?

 このぐらいの妄想やネタは日常的に潜んでいるんだから。



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