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1.別れは突然に
「大丈夫、凛のことを一番に愛してくれる人が必ずいるわ」
その一言を最後に私の祖母は目を閉じた。
私のことを両親の代わりにずっと面倒を見てくれた人だった。
まだ15歳になったばかりの私は、祖母がもう私と一緒に生きてくれないということを受け入れることが出来なかった。
祖母の死を認めたくなかったのかったのかもしれない。
だってこれからどうやって生きていけばいいのかも、祖母の最後の言葉の意味もわからない。
私を愛してくれる人なんて、祖母以外にいるわけがない。
あの時私の頭の中はパニックになっていたんだと思う。
優しい顔で眠っているかに見える祖母を置いて家を出て、走って走って、どこに向かっているのかもわからないでただただどこかに向かって走って・・・気が付いたら目の前に大きなトラックがいた。
馬鹿な私はビックリして止まってしまって、トラックが急ブレーキをかけたのがわかったけれど間に合うはずもなく私の体はトラックによって跳ね飛ばされてそれ以降の記憶が私にはない。