8.怖いです。
ある日の出来事。
学園から家に帰ると、ニコニコしているお母様がいた。
嫌な予感しかしない。
「千紗子、おかえりなさい」
「ただいま。お母様」
部屋にダッシュで帰ろうとも思ったが、眉を下げたお父様がそれを阻む。
「お父様?私部屋に行きたいです」
「私もそうしたいと思っているんだが、夏帆が…」
夏帆というのは、お母様の事だ。
何だよ。こんな時までラブラブ見せつけやがって。
「えぇ。あなた、千紗子を通さないでくださいね」
ナニナニナニ!?
怖いよ!?
「千紗子、貴女に報告したいことがあるの」
「は、はい…」
嫌な予感しかしませんけどね!!
「藤宮家の藤宮大和君と、婚約を結ぶことになったわ。
勿論、千紗子。貴女が」
デスヨネー!!
ていうか今思い出した。
百合千紗子のキャラ紹介の所に小さく『藤宮大和の婚約者』って
書かれてたわ。
これじゃあシナリオ通りだよ。
アリがちだよ。
心の準備ってものを考えてくれよ。
「お母様…?何故でしょう?何故私が藤宮君と…」
「それは勿論!百合家と藤宮家が仲良いからよ」
何その理由!?
……よし、婚約破棄、してもらおう。
周囲の人に迷惑かけるかもだけど…。
どうやってしてもらおう。
「私、部屋に戻ります」
「え、えぇ。分かったわ」
ふらふらとする足取りで階段を上る。
私には、婚約破棄のことしか頭になかった。
ーーーーーーーー
「はぁ…。どうすればいいの?」
盛大な溜め息を吐き、独り言を呟く。
婚約破棄なんてしたことないし。
ここで活かすんだ。私のゲーム頭!
~脳内~
『私は、よくあるヒロインをいじめて、断罪イベントルートが確実だと思うわ』
ロココ調のドレスを着た私が話す。
確かに…。それが確実なのか?
『待って!それはこの家の評判や存続に関わるわ。却下よ』
眼鏡にスーツ姿の私が反論する。
うっ。それは私がしたくないやつだ。却下。
『だったらもういっそのこと、結婚しちゃえば?』
某ラッパー風の姿の私がそんな言葉を囁いてくる。
『駄目よ。藤宮君が可哀想だわ』
またもや眼鏡にスーツの私が反論する。
私もこれは少し…。
藤宮君は桔梗ちゃんと結婚するんだよ?(多分)
なのに、私がいたらそれこそ結婚出来ない。
『じゃあじゃあ!藤宮君にだけツン対応しとけば?
そしたら藤宮君も嫌になるだろうし、婚約破棄の時は性格の不一致って
言えば良いじゃない』
天使のコスプレをした私が言う。
本当に天使?悪魔じゃないの?
スーツの私、お願い!
『……私、それいいと思うわ。誰も傷付かない最高の方法じゃない!!』
おぉ…!
じゃあこの作戦にするか。
~~
「作戦は決まったから…。あとは、なるべく藤宮君にツン…って」
ツン対応ってどうやってするんだぁ!?
ブックマークありがとうございます!!