4.ストーカーさん?
車から降り、青蘭学園の大きな門を通る。
そうすれば、学園の生徒達がこちらをチラチラと見る。
なんだろう?と思い、周りを見れば視線の正体は殆どが女子生徒。
凪とお兄様を見ている。
二人とも慣れているのか、スタスタと通りすぎていく。
おいおい…。
「じゃあ僕はこっちだから」
「はい、また後で」
「じゃあな」
お兄様は私と凪の頭をくしゃくしゃとして去っていった。
うわっ、イケメン。
「ほら、クラス表見に行くぞ」
「うん」
クラスは、凪と同じクラスだった。
もちろん、ヒロインと他の攻略対象達も。
「ねぇ、この神楽坂桔梗さんって名前綺麗だね」
さり気な~く、桔梗ちゃんをアピール。
どうだ?会ったことあるな~とか思った?
「ふぅん…」
薄い!!
リアクションが薄すぎるよ凪。
「教室行こうぜ」
「…だね」
桔梗ちゃんに会えるかもだし。
まぁ、後から好きになるでしょ。
「あ、千紗。おはよう」
「おはよう、縁」
教室に入れば私の幼馴染み、桑井 縁がいた。
縁は乙女ゲームとは一切関係のない人物だと思う。
でも、隠しキャラは縁なのではないか?と今思った。
完璧なルックスに、スポーツ万能少年。
何で縁が攻略対象にならなかったんだと運営に言いたい位だ。
そんな縁は凪と少し仲が悪い。
仲良くしてくれ、と言っても凪が縁に突っ掛かっていくからどうにも出来ない。
「…と、凪。おはよう」
縁が凪を見て、ついでだと言わんばかりに不機嫌オーラを出す。
でも、そのオーラは直ぐに消えた。
「千紗と同じクラスって嬉しいな」
「私も」
本当に、弟みたい。
凪とはちょっと違う弟。
「…って、ブフッ!?」
可愛くない驚きかた。
何故、ここに立っているんだと、言いたい。
スラッとした長身の男の子。
藤宮大和だ。
「ごめん」
眉を寄せて謝る姿に垂れ下がった耳が見えて。
罪悪感がドッと来る。
「いえ、私も前を見ていなくて。すみません」
なるべく、地味にしておきたいので、会話を切る。
自分の席に着けば、今度は美人オブ美人が向かってきた。
何このクラス。顔面偏差値高くない?
私の前世のクラス見る?
「貴女先程、藤様にぶつかってらっしゃいましたよね」
「えっと…はい」
あの人藤様って呼ばれてるんだ。
「どうでしたの?」
「はい…?」
「だから、どうでしたの!?」
意味が分からないんですが…。
説明を省かないでください。
「藤様の匂いとかしましたの?」
ストーカーですか?
「いえ、一瞬だったので」
「そう。残念ですわね」
モテモテですね藤宮さん。
私絶対平凡が一番だと思う。
「あ、私は蓮野 弥生ですわ。よろしく」
「百合千紗子です。よろしくお願いいたします」
美人のストーカーさんと、知り合いになれました。