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レヴェネイター  謎多き魔法探偵と霊量士(クォルタード)の活動録  作者: トッキー
第1部 邪神復活事案 レヴェネイターズ始動!
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第73話 消えた星奈とハーネイトのやらかし案件


「……っ!」


「星奈!!!なんで、なんでなの?どういうことよ!」


「……!わ、私は、っ!」


「っ!アイアス!」


「応よ!」


 なんと星奈はいきなり霊量子によるエネルギー弾で攻撃したのであった。すかさず間城はアイアスを召喚し防御スキルで防いだが、何故星奈がそうしたのか分からず混乱していた。


 それから、星奈は自身の少し後ろにある光る亀裂の近くに移動すると、忽然と姿を消したのであった。


「助かったわ……しかし、一体彼女に何があったの」


「もしかすると、あの先に犯人がいるかもしれないわ。病院内の人たちと、星奈をあんな目に合わせた奴が!」


「早く彼女を追いかけたいのだけど、大丈夫かな私たちだけで」


「行くしかないわよ彩音!一応位置についてCデパイサーで全員に転送したわ。行きましょう。おばさんはどうします?」


「私も、行くわよ!あれが見えるってことは、もしかすると!それに患者である彼女を放っておけないわ!」


 そうやって3人は亀裂の中に飛び込んでいったのであった。それをCデパイサーで感知したハーネイトは車中で全員に伝える。


「ったく、間城と彩音はともかく京子さんまで……全員厳重注意しなければいけないな」


「んなこと言うなよ、早く助ければいいだけだぜ相棒」


「伯爵はたまには車に普通に乗ってほしいんだけど、てか菌探知は?」


「やっとるわ!数十人が確かに気を失って病院内で倒れてやがる」


「しかし京子おばさん、まじであれ見えるのかよ」


「急ぎましょう。中は相当危険な状態だわ」


 彼らの話を聞いていた大和が機転を利かせ、抜け道を利用し病院まで最短ルートを駆け抜ける。


 おかげで予想より早く到着し、彼らも病院の正門に入ると車を降り、すぐに正面玄関にまで移動し病院内に入ったのであった。


「これは、全員がやられているな」


「相棒、お前は全員を治療してくれや。俺たちで3人を追いかける。その手の治療はお前にしかできん!」


「頼んだぞ伯爵。代理指揮してくれ」


「任せとけや!」


 伯爵が代理指揮を執ると言い、ハーネイトは彼らに任せる。そして大和には他の階への確認を行ってほしいと頼み行かせてから、出力調整を行った霊量子版の大魔法を発動する。


「奇跡を呼ぶこの治療術、いざご覧あれ!万里癒風!!!」

 

 するとハーネイトの体から新鮮な緑の風が部屋中に放たれ、それが病院の建物内部全体にまで行き渡る。すると徐々に被害者たちの顔に血の気が戻る。


「うっ、私は……」


「がはっ、何が起きて、いたのだ」


「ふう、被害にあってすぐだったからこれで済んだか。入院患者たちも、よし、ついでにある程度……あっ、入院している人たちの病気も治してしまった……や、やっちまった、やっちまったああ!宗次郎さんに何か言われるっ!」


 少なくともこの病院内にいる看護師や医者など病院関係者全員と、通院していた患者たちの意識は元に戻すことに成功した。


 幸い寝ていたのかと病院内にいた全員が勘違いし、特に騒動なく場を持ち直したが、ここにきてまた彼はうっかりをやらかしてしまった。思わず叫びそうになるが今それはまずいと思い、京子が教えた病院の地下フロアに移動してから彼は、大きくため息をついていたのであった。


「なんじゃ……わしは寝ておったのか。ん、何だか体の調子が良くなったぞ」


「私も、すごくだるくて、何もできなかったのになんで?ええ?」


「もしかして、病気治ったの?」


「気分がすごくいいな、もやもやが晴れた感じがする!」


「おい、俺なんか切断した脚が元に戻ってやがる。どういうことだぁ?……へへ、これならまた漁に戻れるぞ、しかしどういうことだこれは」


 そう、ハーネイトの魔法が強すぎて患者たちがことごとく元気になっていくという副作用もついてきたのであった。


 これはある意味いいことではあるが、まずどうやっても通常あり得ないことが起きているため目立つのは確定的に明らかであり、さらに運が悪いと彼が疑われるため本来この状況では一人ずつ削られた精神を元に戻す魔法協会の規格外の魔法を用いらなければならなかった。


 どうも彼は急いで伯爵たちを追いかけるために大魔法を使ったのだが、それがある意味仇となり完全に意気消沈するハーネイトだったが、気持ちをどうにか切り替えて急いで現場に行こうとするのであった。


「あちゃ……まあいいか……ある意味そう混乱させておけば地下に目が向くまい。私ってやるなハハハ」


「ハハハじゃないっすよ先生。まずいっすよそれ」


 病院全体に大魔法をかけてしまったハーネイトは、結果的にいいことなのだからと思い脚を進めようとした。


 その時後ろから声をかけられギクッとした。それは、部活やバイトなどが終わり速攻で駆け付けてきた3人の高校生であった。


「ゲッ、響と五丈厳!それに時枝!」


「全く、どうも先生は肝心なところで妙なうっかりを……」


「倒れている人を助けたら病院の中にいる人たち全員健康状態が良くなったとか、やはりその辺だけは人間を遥かに超えてる」


 響と時枝がそれぞれそう指摘しハーネイトは元気のない笑いをしながらうなだれていた。


「しょぼーん……みんなそんなメタメタに言わなくても……うぅ」


「普通言うだろ先公。目立つ真似をあまりするな言っているのはおめえじゃねえか。説得力皆無だぜ」


「ルべオラさんが来た時もあれだけど、先生オフってるときは何か妙に打たれ弱くないですか」


「……と、とにかく私たちも地下に行くぞ。伯爵たちが先行している」


 五丈厳と響の指摘に更にショックを受けるも、どうにか気を取り直したハーネイトと響たちは、地下の亀裂のある場所まで移動したのであった。


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