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レヴェネイター  謎多き魔法探偵と霊量士(クォルタード)の活動録  作者: トッキー
第2部 桃京血徒戦線 暴走する神造兵器・血徒(ブラディエイター)
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第229話 桃京解放戦 桃京ビッグスカイタワー防衛戦1

桃京ビッグスカイタワー防衛戦  亜蘭 初音 五丈厳 間城


「い、一体どうなってんだ?」


「こ、これってもしかして、5年前のあれか?く、来るなあぁ!化け物めぇ!」


 亜蘭たちが急いで桃京ビッグスカイタワーに向かう少し前、タワーの入り口付近に2人の中学生がいた。2人はここの展望台に上ってから帰ろうとした矢先、血徒の包囲網に囲まれていたのであった。


 とっさに中に引き返すも、いつタワーの入り口に大勢押しかけてくるか分からない状態であり心臓をバクバクさせながら中学生2人は息を殺していたのであった。


 そんな中駆け付けた、亜蘭をはじめとした4人は、タワー付近の現状を目の当たりにし、早急に汚染を浄化しないといけないと具現霊を召喚しながら作戦領域に入る。


 するとそこには一台の装甲車と、軍服を着た女性がいた。様子を見ると、どこか落ち着かない様子で誰かを待っているようであり、しきりに携帯端末を見ながら不安げな表情を見せていたため亜蘭がいち早く声をかけた。


「大丈夫ですか?」


「き、君たちは」


「防警軍の命によりここに来ました。防衛に参加してほしいということでして」


「なんと、しかし民間人では……はい、う、宇田方司令!何?ふむ、了解しました」


 女性隊員は、目の前にいる学生と思わ色人たちを見て驚くも、そのあとに来た連絡により増援を送ったという話を聞いて、少し前に噂で聞いた存在を思い出した。


「そういうことか、以前司令が話していた、凄腕の探偵の部下というわけですね。私は第4小隊副隊長、有川と申します。現在隊長が逃げ遅れた人を救助するためにあそこへ向かっておりますが……」


「行こう、早く!」


 この女性隊員は有川と言い、防警軍特殊機動部隊、第4小隊に所属する20代の女性であり、家族を血徒に殺され、身寄りが無かったところを防警軍の幹部に拾われた経緯がある。


 彼女は4人を見て、5年前の自分と重ね合わせながら、相手を知ってそれでも駆け付けたこの年下の勇者たちを素直に心の中で称賛していた。


 そんな中、突如彼女らの目の前に不気味な雰囲気を漂わせる男が出現した。その男は体の所々が血で染まり、目は赤く光り二本の角を生やした異形な存在であった。


「そうはさせませんよ」


「おい、誰かあそこにいるぞ」


「あれは、血徒!」


「さあ、ここも私に染まるのですよ、クフフフフ!」


 男は力を溜め、足を地面に叩きつけるように踏みしめた。するとそこから、血徒の汚染が広がっていき、タワー周辺を血の海に染めていったのであった。


 足元から広がる血海を眺めながら、異形の男は不敵な笑みを浮かべるとその場を後にし忽然と姿を消した。その代わりに、その血海から複数の血屍人が召喚される。


「げっ、周囲が血の海に」


「まずいわね、これAミッション適用じゃないの?」


 目の前の光景を見た4人は、すぐにAミッションで浄化作業を行う必要があると判断し、代表で亜蘭が連絡を取る。


 するとすぐにハーネイトから電話が来て、亜蘭に対して指示を出し同時に、仲間を送ったと告げる。


「ああ、そちらの様子は偵察ドローンで確認済みだ。放置すれば一帯は敵の占領下となる。迅速に敵を倒すんだ。今ヴラディミールとヨハンを派遣した。到着まで4人でやれるか?」


 それを聞いた亜蘭は問題ないといい、それを聞いていた五丈厳も大声で叫ぶようにいう。また、ナビゲーターは今回特別にヴラディミールが急遽引き受けることになった。


「へっ、言われなくてもやるぜ先公。お前ら、行くぞ!!!」


「えらくやる気ね五丈厳君」


「私は、帰りたい……でも、友達の仇は、私が!」


「そうだな、僕らがやらなきゃ誰がやるんだ」


 こうして、急遽4人で血徒が作り出した血海の浄化を行うAミッションが始まったのであった。早速意気揚々に、五丈厳はスサノオと共にド派手に突撃する。


「邪魔だ、どけや!」


「そうだぜお前ら!うらぁ!七天刃!」


「私がみんなを守るわ、アイアス、守護七盾!」


「いいぜ姉貴、やってやる」


 五丈厳とスサノオの戦技が炸裂し、彼に襲い掛かる血屍人を間城はアイアスのバリアではじき返す。シールダーとしての意地を見せながら間城も、間隙をついてアイアスに攻撃指示を出し制圧攻撃を行ったり、さり気にCPFを詠唱し戦闘補助なども行う。


「前へ、進まないとね!ゲンナイ、あれ行くよ!」


「……ああ、超戯画・筆乱ぃ!!!」


「やるじゃないか初音、かなり道が開けたな。僕も続くよ、ゾロ!」


「分かりましたぞお坊ちゃま、覚悟するのだ、吸血鬼よ!疾風のスケルツォ!」


 それを見て初音と亜蘭も手分けして、汚染のひどい場所に足を運ぶと互いに具現霊と力を合わせ、強烈な戦技を発動する。それによりタワー周辺を包囲する形で侵蝕している血海が少しづつ消えていくのを有川は目にし、固唾を飲んで見守っていたのであった。


「なんだと?あの子たちはあの化け物を倒せる力を持っているのか……あれだけ撃っても、爆弾でも倒せないあれを……なぜ……なの」


 有川も、5年前の事件で家族を血徒に殺された時、自衛隊などが迫りくる吸血鬼の群れに対し攻撃を加えるも、録に効いてなく次々とやられていく光景を目にしていた。それが今でも忘れられない。


 なのに自分よりも年下の若い、まだ学生たちが、まるで紙切れを裂くかの如く吸血鬼ゾンビたちを撃破していく光景は、今までにない衝撃であった。そんな中彼女の通信端末に連絡が入ったのであった。


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