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レヴェネイター  謎多き魔法探偵と霊量士(クォルタード)の活動録  作者: トッキー
第2部 桃京血徒戦線 暴走する神造兵器・血徒(ブラディエイター)
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第228話 桃京でのAミッション発令



 その間にハーネイトは特に守るべき拠点があるかどうかについて確認する。


 血徒は恐らく、幾つかの人が多い、あるいはエネルギー産出系の施設を狙う傾向にあるため、ある程度そう言った施設の存在を知っておけば守りやすいと考えたうえでの話であった。



「宇田方さん、特に主要な施設を教えていただけませんか?」


「大伊火力発電所、日本橋エナジーコントロールセンター、桃京国際スタジアム、レインボービッグブリッジ、桃京駅、桃京ビックスカイタワー、桃京大学、それにこの防警軍総本部だ。今のところ国会議事堂や皇居などは異変が起きていないが、注意しておく必要がある」


「仮に、そこを占拠されていた場合、優先的に開放ですね」


「ああ、特に監視や通信に関わるタワーは絶対死守だ」


 ハーネイトは宇田方から聞いた情報をすべてCデパイサーに速やかに登録した。恐らく敵は何かを狙いに来ている。


 そういう感じがしたハーネイトは、拳に力を込めて握りながらモニターを見ていた。その中で、今異変が生じている場所かつ、宇田方が述べた拠点に関し、彼は妙な感覚に支配されていた。


「了解しました。では行きましょう」


「君たちに頼みがある」


「何でしょうか宇田方さん」


「逃げ遅れた人の救助もできれば行ってほしいのだ。そうすれば機動車での回収も容易になる」


 作戦会議を急いで開いている中、各地からの報告が次々と上がってくる。どうも殆どの人は避難を完了させているが、逃げ遅れた人たちがいるという話である。


 そうなると救出ミッションになるなと思いつつ、宇田方の頼みを快諾しすぐに各員は出撃準備を整えた。各自速やかにCデパイサーを確認し、各種機能のチェックを行う。


「さあ、大暴れの時間だぜ」


「行きましょう、被害がこれ以上大きくなる前に。っとその前に、各拠点に向かう仲間を編成しましょう。拠点が9か所……4人1チームとしても、36名必要だが……」


「防警軍の拠点は俺と相棒だけでいいだろ」


「そうだな、ここからなら指令を出しやすいし状況把握もできる。私と伯爵で手分けしてナビゲートを行う」


 宇多方に対しこの防警軍を臨時で管制室として使っていいかを確認し、承諾をもらったハーネイトは自分たちで響たちのオペレーターとして支援すると言い、彼らもそれに従う。


「だったら俺とロイ首領もここに残るぞ」


「しかしよう大将、これAミッション適用じゃねえのか?」


「そうですねえ。今一度編成について考え直した方がいいと私は進言します」


「ボガー、シャックス……そうだな、私も気が動転していた。敵は各拠点を占拠しようとしている動きを見せている。それを開放するための作戦でもある以上、Aミッションを発令する!」


 今まで以上に敵が攻勢を強めていることに驚き、判断ミスしそうになるハーネイトだったが仲間たちの言葉により冷静さを取り戻し再度指示を出しなおしたのであった。


「ハーネイト殿よ、すまんがAミッションとは何なのだ」


 どんどん指示を出していくハーネイトに対し、宇田方はAミッションについての説明を求めた。


「ええ、血徒等に汚染された場所を浄化する作戦です。アペリエンスという言葉からきています。現に少し前に響たちは作戦に参加していますよ」


「何、各地で戦ったのもそういう物だったのか。はあ、それはすごいな」


「ああいう物の掃除は、この私たちにお任せを」


「では任せたぞ。我らは避難誘導や負傷者の救助などに当たらせてもらう」


 内容を聞いた宇田方は、今自分たち防警軍ができることは限られていると判断したうえで、自身らの行うことを彼に告げると、宇田方もすぐに動き出し管制室に届く連絡への対応に躍起になっていた。


「ではもう一度説明します。現在桃京の各地で血徒汚染が発生しています。各地方での戦いと同様に、これを浄化しつつ逃げ遅れた人がいる場合は救出しなければなりません」


「オーケー、あの時のと同じだな」


「そうだ韋車さん。現在汚染が広がっているのは桃京芸術大劇場、桃京駅、日本橋エナジーコントロールセンターの3か所だ。ここについては7名1チームで向かってくれ。他は4人1組で、Aミッションが必要な場合は迅速に人員を派遣する」


 ハーネイトは響や渡野たちに対し向かうべき場所について指示を出したうえで、いつでも増援を呼べるようにスタンバイしておくという。


 そうしてすぐに、指示通りに彼らは作戦区域に足を運ぶため防警軍総本部を出たのであった。

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