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レヴェネイター  謎多き魔法探偵と霊量士(クォルタード)の活動録  作者: トッキー
第2部 桃京血徒戦線 暴走する神造兵器・血徒(ブラディエイター)
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第217話 新技術・UA(ウルティマス・アルムリベラシオン)



「移動はポータルを使ってほしい。既に全部使用可能だ」


「分かりました先生、他に何かありますか?」


「PAの設定など怠らずに頼むぞ。奴ら人を生贄に何をするつもりだ」


「早く行きましょう。出ないと取り返しがつきませんわ」


 彩音がその場を仕切りながら必要なことを確認し、亜里沙や響も全速力でホテルの転送装置前まで急ぐ。だがハーネイトはある追加の指示を出してきたのであった。


「おっと、忘れていたぞ。ポータルでの移動の前に、手間をかけさせて済まないがホテル・ザ・ハルバナの事務室まで来てくれ。リリーには説明しているが、以前から研究していた新装備が開発完了している。それを受け取ってくれ。ヘルプはすぐにアップデートデータを全員のCデパイサーに転送するから分からないときはそれをチェックしてくれ」


 その内容とは、レヴェネイターズに加わった際に支給されていた霊媒刀に代わる新兵器の配布であった。


 実はこの研究に関しては、ジェニファーが加入した前後から開発が行われていた。理由はいたって単純で、彼女は剣よりも銃の方が扱いなれているからである。自身の武器の相性は具現霊の運用にも影響する。


 それならば今までの研究と組み合わせ、PMと部下であるエレクトリールの持つ、万能召喚兵器・イマージュトリガーを基軸に多様な技術を集約し1つにすれば、如何なる状況でも対応できる武器ができる。それが開発の経緯である。


 その新武器の名前は、UAウルティマス・アルムリベラシオン、または究極武装開放器と呼ぶ。

  

 このUAの力とは、サモングリップと呼ぶ持ち手を掴み、データに登録した形状の武器をそこから形成する物である。


 それゆえ、PMとの連携が必要であり、武器のデータも取り入れればその武器に変化する。ただし基本相性は無属性であり、何か属性を付与するならばRGMの力も必要になる。

 

 また、ハーネイトは研究を進め、Aミッションで実行する通常攻撃に関して効果範囲を変化させる機能やガード機能を高めるなどの研究も進めていくという。


「どちらにしろ、転送装置は屋上にあるしな、事務所に行くぜ」


「何をくれるんだあの先公はよ」


「戦いを有利にする道具じゃないの?やっと補助アイテムの方も完成して配備が進んでるしさ」


 翼はその話を聞いてワクワクし先に突っ走る。それを追う五丈厳や響たちに呆れつつも後を追う彩音や璃々、星奈や亜里沙は先生はまたどえらい物を作ってくれたなと思いつつ、下の意見を丁寧にくみ取ってそれを作ってくれる彼の姿勢に敬意を持っていた。


 また、九龍は最近実践投入可能になった新アイテムの話も切り出す。


「この前使ったけど便利だったねあれ。いざという時は使っていくのがいいわ」


「だけど作るのにも霊量子がいると先生から聞いている。無駄遣いはよくないぜ彩音」


「研究にも開発にも、作成にもCPCP、とにかく集めねえとなぁあ!」


 それから5分ほどで彼らはホテルの地下事務室に入る。すると既にリリーが、全員分のUAトリガー・サモングリップを大机に並べて待っていたのであった。


 既に日本各地での異変についてハーネイトから話を聞いていた彼女は、響たちに対してサモングリップの説明を簡潔に行う。


 見た目はいかにもハンドガンのグリップ部分であり、それが並んでいる光景に驚くも、試しにリリーが手に取りCデパイサーと連動させ、大きなライフル銃をグリップの先端から召喚して見せた。


「聞いたわね?これをうまく使えば、血徒もドカーンよ!」


「なっ、すげえなそれ!ライフルかよ」


「えーと、これとこれを……おっ!凄いわねこれは。バズーカ砲まであるの?」


「みたいですね間城さん。私は、この槍がいいですね」


「近接武器も遠距離武器も、これ1つで使用できるのはでかいな彩音」


「そ、そうね響。しっかし、本当に持ち手だけね……これをCデパイサーの側面に取り付ければいいのかな?」


「霊量子をチャージしとかないとだめだからね?いい?」


「了解よリリーさん」


 後から駆け付けた大和たち大人組もリリーの指示に従い、各自のトリガーを持ちCデパイサーに装着した。すると通信が入り、今度は事務室のモニターにハーネイトが映し出された。


「各自、例のアイテムは受け取ったか?」


「はい先生、これって……銃の持ち手のような何か?」


「作戦を始める前に、それの使い方を見てくれ。各自が得意な武器に変形するアイテムだ。霊媒刀よりも強力だぞ」


 指示に従い、ヘルプを読む響たちはこの新兵器がいかに恐ろしく、他の研究もあってできた、自分たちと先生たちの努力と絆の結晶であることを理解した。


 今までは刀と具現霊、CPFだけが攻撃手段だったが、刀の代わりに様々な武器を気軽に使用できるようになり戦術の幅が広がったと感じ、より効率よく敵を倒す方法を考えるようになったのであった。


「ああ、これですべて倒すぜ」


「行こう、翼。手遅れになる前に」


「では、地方の方は任せたぞ」


「了解!」


 こうして、各地域で出現した血徒を倒すため、Aミッションが発令されたのであった。各自屋上のポータルに向かうと、チーム単位で移動したのであった。


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