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レヴェネイター  謎多き魔法探偵と霊量士(クォルタード)の活動録  作者: トッキー
第1部 邪神復活事案 レヴェネイターズ始動!
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第197話 封印塔開放作戦・D&Eチーム


D 亜里沙、スカーファ、ドガ、初音


「すべての悲劇は、10年前に始まったのだ」


「私たちをも苦しませた、忌まわしき事件。次期当主として、私は……」


「私の友達も、全てあの血徒という存在の計画の中で死んだわけ?ふざけないでよ」


「私には義理の兄がいたが、訳も分からぬ化け物に殺された。だが、仇をこうして討てる今が嬉しい。世界各地で、同じような苦しみを負う者がいる。少しでも減ることを願い戦うまでだ」


 それぞれが、今まで起きた事件と今起きている事件を照らし合わせ複雑な思いを抱いている。このチームも含め、殆どの仲間がそうであった。


 無理もない、血徒や矢田神村での一件はハーネイトの想定以上に彼らに影響を与えていた。犯人を追い詰めたと思ったら別にいる。いつまで追っていればいいのだろうかと思いながら4人は具現霊を呼び出し攻撃する。


「道中難なくいけるのは、修行の賜物と言えるのでしょうね」


「全く、強くなりすぎるのも問題だな。物足りん」


「まあそういうな。目的は回収なのだろう?恐ろしい存在の暗躍も気になるが、味方にもなりうるソロンと言う存在の開放が先だ」


「そ、そうよね。さあ……行くわよゲンナイ!」


 やはりというか、この人たちも修行を怠らず行っていた影響で能力が桁違いに上がっており、迫りくる魔獣などの群れを鎧袖一触の如く蹴散らしていく。


「ハハハハ、もっと楽しませろ!」


「あんだけいたのに、1人で蹴散らすなんて本当に怖いわ」


「ええ、私もです。あれほどに戦闘力がある人はハーネイト様ら以外ではスカーファ様が……」


 スカーファの暴れっぷりを見ていた亜里沙、ドガ、初音は困惑していた。高笑いしつつ敵陣に飛び込み難なく倒していくその様は、敵だったら絶対に出会いたくないし戦いたくないと思うほどの勢いであった。


「研究したくなるな、思わず。いや、先に仕事を済ませようか」


「そうですねドガ博士。私たちも、行くよ!」


 彼女に負けてはられない。3人も具現霊と連携しスカーファが取りこぼした敵を相手に各個撃破していく。


「これ私たちの出番ないですね」


「ま、まあいいんじゃない?」


「良くはないぞ初音さん。少しでも戦闘経験を積むのは大切だ」


「とか言っていたら来ましたね、残っているのが」


 そうこうしている間に、4人は門番が待ち構えて居る階まで到着していた。


 そこには翼のない3つ首の龍が、行く手を阻むかのように鎮座していたのだが、もれなくスカーファが飛び込んで暴れだす。ドガはそれを見て呆れつつも、彼女に迫る他の首を止めるべく具現霊に指示を出した。


「さあ、早く仕留めるぞ。カンタレーラ、あれを使うぞ!」


「ハハハハ、こんなデカブツとも戦えるなんて最高だぞ!フーリン、あれで仕留めに行く」


「……ああ!」


 ここからのスカーファは、言わずもがな完全なワンサイドゲームで門番をいともたやすく倒してしまったのであった。


 命の鼓動が消えた地龍の体には、まだ霊量子の槍が無数に突き刺さっていた。彼女は戦うことに得も言われぬ興奮を感じている。故に戦いを求める。ハーネイトをもってして御しがたいともいえる彼女の戦闘に対する獰猛さは、誰よりも群を抜いていた。


「状況終了、ってやつかな?もう敵はいないと見ていいよ」


「ありがとうございます初音さん。サーチの方を任せっきりにしてしまって」


「いいのよ、私も戦闘向きかというといまいちあれだし」


「さあ、3人とも宝石を回収しに行くぞ」


 この後は特に敵も出現せず、他チームと動揺に宝石を回収後速やかに脱出し急いで合流地点に向かう4人であったが……道中現れた魂食獣もスカーファが意気揚々と倒しまくっていたという。



E 文治郎、京子、瞬麗、ボガー


「我らは、同じ星の下、こうして集う定めを持っているのかもしれんのう」


4人は塔の中を駆け回り、様々な魔獣を苦もなく蹴散らしながら前に進む。文治郎は他の塔にいる娘の文香を心配しつつも、こうして様々な人種や年代の人が協力して一つの目標を達成するということにある思いを抱いていた。


 それは、先代の叶えたかった悲願とも関係があるという。その言葉に京子たちも同じ思いだと共感の言葉を口にする。


「早く、血徒と言う存在を私は倒す。だから止まっていられないわ」


「焦ってはだめ、なのかなあ。悪魔も感染する病気って、怖い……」


「俺たちも煮え湯を飲んだ相手だ。だからこそ、力ある者同士が結束してやらねえと」


「うむ、そうじゃな。では行くぞ」


 恐るべき存在が恐るべき事件を引き起こしている。それは目に見えるようで見えない。けれど確実に人類、いやそれ以外の命も滅びの道に向かわせる。誰もがそれを理解していた。


 あのハーネイトや伯爵でさえも血徒による被害を受けている。自分たちにできることは何か、それは強くなることしかなかったのであった。


 4人はそうして門番の居る階にまで足を運んだが、そこには双頭の巨大な犬が牙をむき出しにして闘志を露にしていた。


「これは俗に、オルトロスと呼ばれるあれですか」


「二つ頭の巨大犬、まあ門番には悪くねえな」


「では、手はず通り連携を仕掛けましょう。ナイチンゲール、パワーインジェクション!」


「力がみなぎるぜ、流石支援タイプ!俺たちで一気に仕留めるぞ!」


 大人たちも日頃から仕事や学業の間に鍛錬を欠かさず行ってきた。その成果はこういった形で実感する形となった。


 実は他の塔にもいる門番らはAM星では時々見かける異世界の住民であり、最低でも腕の立つ剣士や魔法使いでないと撃退は困難な相手である。それを容易く退ける彼らは、確かに強いといえるだろう。


 だが、血徒はこれの数百倍にも及ぶ強さを備えている。数の暴力と質の高さ。それらを相手にするにはまだ時期尚早であった。


「以前は苦戦しそうな相手でも、今ではここまでなんて。……この年にして、成長を実感するなんてね」


「日ごろの鍛錬の賜物じゃな」


「いい線いってるじゃねえかよ。大将も見る目あるぜ。……だが、血徒はこんなもんじゃねえ」


「うん……正直勝てるイメージがなんかわかないネ」


 今目の前にいた敵は難なく倒せた。それはうれしいことなのだが、彼らは矢田神村で血徒同士の戦い。


 そう、エヴィラとクリミリアスの戦いを目に焼き付けていた。あれは次元が違う。わずかなやり取りを見ていただけで分かる、あまりにも離れた力量の差が忘れられない。瞬麗はそれについて不安だと口にすると、京子も文治郎も複雑な心境を抱いていることを話した。


「だから俺たちが、倒し方を教えてやるからよ。安心しな」


 それを見かねたボガーは、異世界で血徒と戦ってきた自分たちがついているから問題ないと堂々と言い、場を落ち着かせようとした。


「ええ……そうですね。私の力で友達の仇もとれるのなら」


「先代も恐らく……うむ。さあ、依頼の宝石回収と行こうかのう」


「はい!」


 ボガーの一言で3人の精神もどうにかなり、目的である宝石の回収のために最上階に上がると、きれいに輝く巨大な宝石を目にした。台座に載せられたそれは、不思議な気運を周囲に与えていた。


「これを、石板のところまで運べばいいのじゃな?」


「みたいですね」


「じゃあ早くここからでよ?なんか嫌な予感するネ」


 こうして、4人は駆け足で塔を脱出しハーネイトたちのいる場所まで移動していたのであった。



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