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レヴェネイター  謎多き魔法探偵と霊量士(クォルタード)の活動録  作者: トッキー
第1部 邪神復活事案 レヴェネイターズ始動!
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第193話 封印塔の攻略に向けて



「仮面の騎士たちが封印の塔を探してくれた。そこで今のうちに、もう一つの問題について伯爵たちと話をしなければならない」


「封印の塔はどうも、Tミッション形式っぽいな。只管塔の中を探索し、最上階にある封印器を壊せばいいという」


 依頼を終わらせ、その夜にハーネイトと伯爵、それにシャックスとユミロはホテルから離れある焼き肉屋にて会議をしていた。


 肉を焼きながら彼らは、場にそぐわないような神妙な面持ちで話を進めていた。


「本当に、封印解除して大丈夫、なのでしょうかねえ」


「もし向こうが何かやるつもりなら、こちらも遠慮しないだけだ」


「どちらにせよ、やること、変わらない。ハーネイトの仕事は、そういうものだ」


「そうだなユミロ。後には引けない」


 シャックスは少し不安がっていたが、それに対しハーネイトは不安を払拭するようにそう言い、あくまで女神代行の仕事を完遂させるだけだと説く。


「そうら、肉が焼きあがったぜ。お前らもしっかり食べろや」


「ええ、ですがあなたのような存在が肉を焼くと不穏な感じが」


「あぁ……食中毒的なサムシングの話か」


「だれがお前らに菌を盛るかっつーの!やるならこうもっと、大胆かつ陰湿だろ?」


「あのなあ……まあ今は食べるか。シャックス、そこのたれを取ってもらえる?」


 その後も焼き肉を食べながら彼らは今の状況について話を続け、夜遅くまで今後の予定について打ち合わせをしていたのであった。



 一方で時間は少しさかのぼり、響たちはホテル地下の事務所にて本を読みながら話をしていた。Cデパイサーが通知を知らせ、響は少しだるそうに画面を見ると飛び起きて彩音たちに教える。


「おっと、先生たちからメールが来ているぞ」


「全く、また召集か?」


「ん……いよいよやるんだなへへへ」


「ああ、この時を待っていたぜ、暴れる時をな!」


 彼らもまた、いつ封印塔の攻略が行われるのか気になっておりうずうずしていたようで、


 例に漏れずメンバーの中でもかなり血の気の多い五丈厳と九龍は、手を組みぽきぽきと鳴らしながら早く戦闘したいと意気込み、周りを呆れさせていたのであった。


「相変わらず2人は血の気多いですね」


「そういうのが彼らなのよジェニファー」


「とりあえず行こうぜお前ら。全員ホテル地下の会議室に集まれってよ」


「行こうかね」


 この日は祝日であり、響たちは要請に従いホテル地下の会議室に向かう。すると修練部屋を利用していたスカーファ達とも合流し、しばし話をしていた中ハーネイトらが帰還し、ついに作戦会議が始まるのであった。


「夜遅くに済まない。やっと決まったのでね」


「手短に説明してくださいよ兄貴……ふあああ」


「済まないな翼。では始めよう」


 ハーネイトは以前の作戦会議と同様に、スクリーンに映像を映し出し、ゼノンたちが集めた情報と塔の形状に関する写真を公開したうえで、どうやって内部に侵入し封印を解除するかについて説明を続けていく。


 今回の形式はTミッションを軸として行われ、塔の中を探索しながら次の階に進む鍵などを回収し、最上階を目指すというものであった。その最上階にある封印器を破壊し、そこにある宝石を回収すればそのチームは目標達成となる。


「なんだかマジでRPGしている感覚ね」


「今までもそうだったよな彩音」


「まあ、細かいこと気にせずに塔の攻略に行こうぜ」


「問題は、1つずつ攻略するか手分けするかだな」


「もう一斉にやりましょうよ先生!」


 彩音の感想に響や翼はそう言葉を返した中で、時枝は人員をどこにどう配置するのかが気になっていた。


「Tミッションの最低パーティーメンバーは4人よね。4×7で28人いるのかな?」


「単純な計算ならそれでいいけど、問題は道中の回復とかだな」


 彩音と九龍はそれぞれ、今回の作戦について気になっていたことをハーネイトに質問する。それに対し彼の返答はこうであった。


「塔に住み着いている化け物を次いでに追い払ってほしいともいわれている以上、戦闘は避けられない。一応回復材は用意してある。彩音の言う通り編成はそうなると思って」


「それと実は伯爵がソロンの所に向かい話を聞いて来たんだが」


「塔の中で手に入れた資源は全部もらっていいとのことだ。中にはレアな宝とかあるかもってよ」


「へえ、それは面白そうだな伯爵ニキ!」


 と説明を述べたうえで、不確定要素もまだある点に注意して塔の攻略を行うことと、少しでも異変を感じた場合はナビゲーターが総合オペレーターにすぐ連絡するようにという指示も彼は出した。


「あれから血徒に関する動きは全くない。不気味なほどだが、今はソロンの言う封印塔を開放し、ソロンの真意を確かめる必要がある。本当にこちら側に力を貸すのか、用心してみないといけない」


「本当に、やるのですか先生」


「ああ、そもそもの目的の1つではあるし、向こうもこちらの実情は把握しているようだ。恐らくこの先起こるであろう恐ろしい事件も読んでいると見ていい。もしも、あの災星に大量のヴィダール神柱がいた場合、ソロンの手助けとかあるといいかもしれない、そう思っている」


「そうですよね……まあ、やることはやりましょう!」


「じゃあチーム決めと行こうか!」


 ハーネイトの放った言葉に、間城は不安を隠せない様子を見せながら確認する。だが彼はこの作戦は今後の展開について欠かせないと言い、戦力の割り振りについて話が進むのであった。

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