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レヴェネイター  謎多き魔法探偵と霊量士(クォルタード)の活動録  作者: トッキー
第1部 邪神復活事案 レヴェネイターズ始動!
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第183話 敵総本部制圧作戦開始!


 敵勢力圏突破作戦は成功し、矢田神村までの奇襲ルートの確保に成功したハーネイト達。今こそ混乱に乗じ、敵の本拠地に乗り込むためポータルの前に集まっていたのであった。


 そう、実はポータル転移用の座標マーカーを、敵拠点の亀裂近くに設置することこそが最大の目標であり、今それを使えば楽に攻め込める状態にあった。当日の正午前、彼らは全員欠けることなくホテル屋上に集合していた。


「では、これより敵総本部制圧作戦を開始するぞ!」


「いよいよ、だな彩音」


「ええ、これで決着をつけるわ。私たちの暮らしと大切な人を奪ったやつらをこの手で……!」


「俺の母さんを……襲ったやつを倒す、親父!」


「そうだ、でないと俺の喪も明けん!」


 響たち高校生と、大和や文次郎、田村など大人たちも時間までに全員駆け付け、それぞれここが正念場だと思い仲間と会話を交わすのであった。 

 

「……フフ、全員来てくれた、のか」


「当然でしょ先生!何のために今までこうして活動してきたんだか」


「その幹部を纏めて仕留めれば、これ以上あんなことは起きねえんだよな?」


「先代の無念を晴らし、これ以上被害者を出さぬためにもこの老いぼれ、命を割いて戦うまでよ」


 ハーネイトは最初、全員来るとは思ってはいなかった。


 誰もが学校や仕事をしている中、作戦参加に関して強要することはしなかったが、全員が集うのを見た彼は、どこか微笑ましそうに響たちを見ていた。


 それは、自分は彼らと出会えたことが一番残運なのではないかと考えていたからであった。


「敵の幹部だけではない、死霊騎士を開放し、なおかつ真の黒幕に迫る必要がある」


「しかもハーネイトさんと伯爵さんは力の温存をしておかないといけない。封印されて全力を出せないってのが厄介ね」


「俺たちは、あれからずっと戦ってきて、強くなった。その証明をここで果たさん!」


「そうね響、私も同じよ!」


「僕たちも都合をつけてきた。さあ、やろうか」


「少し怖いけど……妹だけにつらい思いはさせないわ!」


 忙しい亜蘭と初音も、仕事に都合をつけて駆けつけてきてくれた。この一連の事件を解決するために必要な行動を各自再確認していく。


「まさか、元凶を断ちにいけるとはな。……6年前のあの事件と決着をつける!村の仲間の分まで、俺は戦う!」


「俺や五丈厳、渡野などはいわば巻き込まれた形で力を手に入れた。だがそれにも意味があるのだろう」


「そうかもしれないわね音峰君。あんな奴らを、好きにはさせないわ」


「私、リョウのためにも、みんなのためにも戦う!」


 黒龍や音峰、渡野に瞬麗は、それぞれ思いを口に出しながら自身を奮起させる。正直怖い気持ちもあるけれど、それでもやるしかない。全員の気持ちは一致団結していた。


「さあ、気持ちの整理は付いたか?……直接矢田神村まで行けるルートだ。だが何が起こるか全くわからん。私の指示を絶対に聞いてくれ」


「お前ら、早くけりつけてパーティーでもしようぜ!」


「私やロイ、ボルナレロは遠隔ナビゲートをするわ。安心してね」


 ハーネイトは改めて進むべき道について説明する。支援の態勢も十分確保しており、各員のCデパイサー内にテレビ中継でボルナレロたちが映って支援に関し話をする。

 

 そうこうしているうちに時間が来て、ハーネイトたちは自ら作った侵攻ルートに向かうため、異界亀裂内に入ると、前日設置した座標マーカーのある場所まで一気に転移し、村への突撃のため光り輝く亀裂の先を通り抜けたのであった。


 そこは、一面荒れ果てた畑が見える山のふもとであった。周囲を探索するハーネイトと間城、星奈は何かないか神経を尖らせて警戒する。


「さあ、いきなりここまで来たが、特に問題はなさそうだ」


「嘘の情報を流しまくった甲斐はあるな」


「敵の拠点座標のデータまで改ざんして、偽の拠点まで素早く仕立てて、相手からしたら悪夢だな」


「往々にして、ハーネイトが絡むと戦いはろくなことにならないがな」


戦神ハーネイトに狙われた奴らは絶望と屈辱、無念の3重苦を実体験するはめになる」


「当の本人が戦うのを好まないのがあれなのだけど、ね?ボガー」


「性格はそう変えられねえ。だが、それでいいだろ」


 あれだけ派手に暴れ、敵の防衛網まで突破しているというのに、敵の総拠点であるここは特に異変を感じられない。


 これはハーネイトお得意の戦術の1つが有効に機能しているからでもある。このため、向こうはまだ侵入者に気づいてすらいない状態であった。それでも、道中に見つからないよう彼らは慎重に進む。


「先生は、確実に勝つためには結構容赦しない。だから、俺たちもだ!」


「そう、ね。気合い入れていくわよみんな!」


「ここから直接矢田神村のエリアに突入するぞ!準備するんだ!」


「さあ、ここからは集団で敵地の奥まで行くことになる。ここで問題なのは、あの話を聞く限り敵のトップらは危険な伝染性吸血病にかかっている可能性がとても高いということだ」


「治療もできないほどに悪化していることも考慮していかないといけないわね」


「PAがあるからって過信せずに行かないとな」


 いよいよ、10年ほど前に廃村となった矢田神村に再び人が足を踏み入れる。反応の強い場所を探し、彼らは暗い森の中を歩き続ける。


 途中でハーネイトのCデパイサーに通信が入る。それはルべオラたちからの物であり、こちらの作戦に支援参加させてもらうという内容であった。


「君たち、ルべオラとその仲間たちも後で合流すると連絡が来た」


「マジすか先生、しかし……いた方がいいですね」


「もし血徒本体がいたらそいつらをぶつけるか。それと、血徒感染体とか魔獣とか、それらの相手は俺らに任せな」


「やはり、俺たちじゃ、ダメすか伯爵」


「ああ、俺が思っていた以上に、相手は戦闘技術や研究を進めている可能性がある。先日17衆の1人と戦ったんでね」


「あれに対抗する方法をまだ教えていないし、そのレベルに達していないからな。血徒はとても危険だ。私も一度生死の淵を彷徨ったくらいに。慎重すぎるくらいでいい、ああいう相手はね」


 血徒に感染している敵のトップは、自分たちが相手をするというハーネイトと伯爵。それだけ、危険な存在であることをハーネイトは特に強調して話をする。


 ルべオラや響たちの活躍で少しだけ調子を取り戻せた今の2人なら、長時間戦闘しなければあれらを倒せると自分たちは判断し、その上で場合によっては響と彩音が主体となって血徒に攻撃を仕掛けて欲しいとも指示を出す。


「先生でさえ……?」


「ああ、だからこそ皆さんにはPAプロテクシオン・アルミュールがある。直接の接触以外で移ることはまずないが、念には念をだ。回避主体で動き、隙を窺い攻撃するんだ」


「わ、分かったぜ兄貴。じゃあ俺たちは基本的にはあれっすか、あの時言っていたことをやると」


「そうだ翼。それと敵が盗んだ霊宝玉の確保も頼む。リリエットたちと連携して作業を行ってくれ。死霊騎士の反応もある、交戦し気運を払えば、洗脳を解除できるかもしれない」


 彼らはPAの副作用で気配遮断能力も向上しており、難なく草原を突破し、森の中にある洞窟の入り口らしき場所まで足を運んだのであった。


 ここにきて新たな技術の開発に成功したハーネイトは、響たちとの出会いに感謝しながら、絶対に誰一人欠けることなく勝って帰ろうと誓うのであった。


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