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レヴェネイター  謎多き魔法探偵と霊量士(クォルタード)の活動録  作者: トッキー
第1部 邪神復活事案 レヴェネイターズ始動!
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第175話 D防衛拠点攻略・後編


「死霊騎士じゃない、こいつは魔界の住民!」


「良く気付いたな、褒めて遣わそう。……わしは魔界復興同盟に属する魔轟四天王・ザキナバルと申す。話に聞いたが、妹のザジバルナが世話になったとな。それについては感謝を申し上げる」


 田村は一目見て、死霊騎士よりも強い存在だと見抜くと、それに気づいた魔人ザキナバルもふっと笑いながら自己紹介をさり気に挟んできた。


 思いのほか武人気質と言うか誠実な人物のようで、彼の妹でありルべオラに治療を受けたザジバルナの件について謝礼する。


「礼儀正しいのだな貴様」


「他の連中とは、色々違うのでな。だが、故郷を基の姿に戻すということに関しては同じだ。1000年もの間、我らの住む世界は不毛な大地で覆われていた。それをどうにかしたいと言う者ばかりなのでな」


「魔界ならこの前マスターハーネイトが環境改変装置送って……マルシアスから話を聞いていないのか?」


「何?どういうことだ。ルべオラという変な奴から妹の話と、最強の男についての話は聞いておるのだがな。ハーネイトの縁者たちよ」


 黒龍と田村はそれぞれ、ザキナバルに対しそう返答すると、非常に驚いた様子で更に話を聞かせてほしいと頼んできたのであった。


 仕方ないので知っている人たちが今の魔界についてどうなっているのかハーネイトから聞いた話を伝える。


 彼はハーネイトの話を聞いており、フューゲルから聞かされた人間の戦士たちについても知っていたため、先に感謝を述べたのはそれが理由であった。


「……その様子だと、真っ先に魔界に帰ったようだなマルシアスは」


「まあ、故郷が元に戻ったらそりゃ急いで帰るな」


「信じられん……あの第4位のマルシアス殿が。少し待ってくれ。こいつで確認を……何と!おおおおおおお!信じられん、これが、空か。大地にも変化が……うむ、流石フューゲル様!」


「そのフューゲルと言う悪魔さんに、ハーネイト先生が協力して改変装置を作ってあげたって」


「フハハ、そなたらの師は恐るべき力を持っておる。ハーネイトか、よくフューゲル様は何かとその者の名を口に出しておったがな」


 ザキナハルの雰囲気から見て、魔界が既に1000年前の綺麗な状態になっていることは知らないと見た大和たちは、改めて魔界に戻って自身の目で確かめた方がいいと促す。


 だがザキナバルもマルシアス同様通信装置を持っており、それで魔界の様子を見ると激しく感動し笑みがこぼれる。


 ハーネイトが環境改変装置を作ったことを初音から聞いた彼は、フューゲルと彼の関係について簡潔に話す。


 大和たちは嬉しそうにしている彼に対し、その上で戦う理由がもうないのではないかと思っていることを伝えた。


「もう戦う理由などないはずだ魔界の者よ」


「そうネ!それよりも血徒の問題をどうにかしないと、皆死んじゃうネ!」


「……だが、そこまで力をつけたお主らと、刃を交えるのも武人としての血が騒ぐのでな。フューゲル様が唯一認める好敵手、ハーネイト。彼が鍛え上げた戦士たちの力、測らせてもらおう」


 そうはいってもこのザキナハル、元人間でしかも武人だったのか、血の気が多いようで魔界の件は別として、今はどれだけ眼前の相手が強いのか剣を試したくなったと申したうえで、背中に装備していた巨大刀を手にして構えた。と次の瞬間、黒龍たちに間合いを一気に詰めて攻撃を仕掛けた。


「ぐっ!死霊騎士より強くねえか」


「3人がかりで拮抗するほどか、ならばここで成長の踏み台とさせてもらうよ」


「ぐぬぬぬ!私も負けないわ!」


「ほう、ほう、いいぞ、ハハハハハ!」


 ザキナハルの連撃が3人に対し猛威を振るうが、それでもうまく攻撃をいなし具現霊の力を使いタイミングよく押し返す。そのわずかな隙をつき、強烈な一撃を3人は叩き込む。


黒龍鉤爪こくりゅうこうそう!」


「火炎息吹じゃマカミ!」


「憑依武装、変幻方天戟へんげんほうてんげきよ!」


 黒龍の具現霊がワイヤー鉤爪を作り出しザキナハルを拘束、それに合わせ宗像の操るマカミの攻撃と瞬麗の憑依武装が炸裂し、彼の体を大きくよろけさせたのであった。


「グファアア!やるではないか、この俺の皮膚に傷をつけるとは、見事なリ……がっ、こ、これは!まさか、俺もあの病に……!」


 ザキナハルは総攻撃を受けながらもしっかり立ち上がり、久しぶりに熱くなったと感じたが、体の異変に気付く。それは血徒に感染した者に現れる紋章であった。


「げっ、これは話に聞いた、血徒のあれだ!」


「お前ら退け!てぇいあああっ!」


「な……これは、グガアアアアッ!」


「間に合ったな、ハーネイトからこいつを渡されていたが、役に立った」


 そこに大和が注射の様な投げナイフを投擲し、ザキナハルに取り付いた血徒の呪血を薬剤で消滅させたのであった。


 これは事前にハーネイトよりナビゲーターに渡された、非常時用のアイテムである。初期であれば、大体の血徒による症状を治すことができるという。


「……なんだかわからんが、助かったぞ。我の負けだ、認めよう」


「いいけど、血徒ブラディエイターって聞いたことあるか?ザキナハルさん」


「つい最近その言葉を知ったのだが、魔界で起きている異変と関係があるというのは把握しておる」


「オッサンもその病気になっていた。その病気が、魔界で更に流行する可能性があるとリーダーが言っていた」


「早く帰って、対策を施した方がいい。取り返しのつかなくなる前にな」


 ザキナハルは、異変を治した大和たちに自身の負けを宣言し、その上で感謝した。また、血徒について最近そのルべオラから聞いたという。


 それに関して幹部の大多数が感染者の疑いがあるなどについてハーネイトが話したことを伝えると、彼は溜飲が下がったような表情を見せ、彼は再び立ち上がると背中に剣を直し、厳つい顔を少し朗らかなものに変えた。


「……そうか、通りでな。幹部たちの様子がある日を境に変化し、おかしくなったのも合点が行くぞ。折角元に戻った魔界を、汚させるか。……また会うことがあれば、その時は恩を返す。それと、この先に我の仲間がおるが、様子がおかしい。もしその血徒によるものならば、治してやってくれ」


 彼は静かにそう言い、最後に次は友として、同じ戦線に立とうと誓いの言葉を立てる。大和たちはそれに返答し、彼は笑顔を見せながらその場から姿を消したのであった。


 無事作戦を終えた大和たちは、急いで他のチームナビゲーターに対し、強力な敵がいること及びそれらがフューゲルの部下であること、またそれらが血徒に感染している可能性が大であることを伝え脅威情報の共有を行ったのであった。


「反応がもうない。次のチームに連絡するぞ。四天王の件についても報告しておく」


「了解だ大和さん」


「ふう、これで第一関門は突破ね」


「あとは他のチームに任せるとするか。しかし、こうして戦うのはいいな……俺は、もう1人じゃない。故郷のみんなの思いを胸に、俺は戦うぜ」


「みんなで戦えば、怖いものなしね!」


「そうね初音さん。結束して当たれば、どうってことないってな」


 自分たちの仕事はこれまでだ、後は任せようということで彼らはその場を後にし、控えていたCチームにバトンを渡したのであった。




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