知育動画で「悪い大人について行ってはいけない」を見ていたら、まんま私の夏スタイルでした
私は感覚過敏である。
だから、夏の日差しにめちゃくちゃ弱い。
そんな私の夏の基本装備は、グレーのバケットハットを目深に被り、ブルーグレーのサングラスをかけ、耳には騒音対策の耳栓。さらにUVカットの黒いパーカー、ベージュの長ズボン、黒いスニーカー。
完全防備である。
うん。めっちゃ不審者。やべぇな。
先日、知育動画を見ていた。内容は「知らない人について行ってはいけません」という、子供向けの防犯教育。動画の中では、「悪い大人」の特徴として、子供に声をかけて誘ってくる人物が描かれていた。
それを眺めながら、ふと思った。
……待て。私の夏スタイル、めっちゃ「悪い大人」っぽくない?
帽子を目深に被って、サングラスをかけて、耳には何やら怪しげな耳栓。黒いパーカーに長ズボン。
うん。防犯教育の教材に出てきてもおかしくない。ちなみに医療機関に行くときは、この基本装備にマスクが追加される。怪しさ、さらにアップ。
本人としては、ただひたすら「夏の日差しと騒音から自分を守りたい」という切実な事情がある。
決して子供を連れ去ろうとしているわけではない。むしろ、できれば誰とも話したくない。
だが、見た目だけを客観的に評価すると、
「……近寄らんとこ」
である。知育動画を見ていたはずなのに、まさか自分自身が防犯教育の教材側に片足突っ込んでいることに気付かされるとは思わなかった。
感覚過敏対策。
それは、時として防犯教育コーデになる。
そもそも、私は介護の仕事で現場を歩き回っている。だから基礎体力はそこそこあるはずなのだ。
なのに、夏の日差しの下に無防備に身をさらすと、10分と経たないうちに目眩や息切れが襲ってくる。
日差しは目に刺さる。とんでもなく眩しい。
熱はジリジリと肌を焼き、それが痛い。体に受ける熱が強すぎて、体温調節もうまく働かない。
さらに私は音にも過敏なので、周囲の音が大きく聞こえる。すると知らず知らずのうちに体に余計な力が入っている。
ただ歩いているだけなのに、身体中が無駄に消耗していく。
だから私にとって、夏の完全防備は「暑いから嫌」という程度の話ではない。生存装備なのだ。
……その結果、見た目が不審者になるだけである。
「そんな格好したら汗だくになるでしょ」と思われるかもしれない。
だが、ここは新潟県。基本、車移動である。
炎天下を長距離歩くという状況自体が、そもそも発生しない。
家から車、車から建物。徒歩区間は、せいぜい数十メートル。汗だくになるほど歩く機会が、構造的に存在しないのだ。
なんなら、屋内の冷房でやられることの方が多い。
夏の敵は、日差しよりも先に、効きすぎたエアコンだったりする。しかも、屋内の照明も普通に目に刺さる。
だから、建物に入っても帽子とサングラスを外さない方が快適だったりする。
……この格好は、汗対策ではなく、あくまで光と音対策。
新潟の車社会に、そこはかとなく救われている。
人はみな、「白鐘さん、肌が白くてうらやましい」と言う。
だが私は健康的な肌色が欲しいのだ。こんがり焼けた、小麦色の肌。夏の日差しを浴びて、ほんのり日焼けした健康そうな肌。そういうのが欲しい。
白くて、血管が浮くような透き通る肌など要らないのだ。
まあ、将来的にシミ予防になると考えれば、これはこれで悪くないのかもしれない。
ちなみに、曇り空なら1時間くらい外にいても大丈夫だったりする。だから、ほんのちょっとだけ焼くことはできる。
ある日、職場の人に、
「見てください!焼けました!」
と報告した。
すると、相手は首を傾げた。……まあ、他人から見れば分からない程度の変化だったらしい。私としては、ちゃんと焼けたのだ。
健康的な小麦色の肌を夢見る私の現実は、今日も不審者スタイルである。
日サロに行けばいいじゃないかって?
茂出木シェフになるのは嫌だ。




