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4章
別れのホワイトデー
三月十四日。ホワイトデー。
朝、花音が目を覚ますと、リビングのテーブルに白い箱が置かれていた。開けると、手作りのマシュマロが丁寧に並べられている。そして、一通の手紙。
『花音さん、今まで本当にありがとう。僕の記憶が戻りました。でも、僕にはもう時間がありません。あなたと出会えたこの冬は、僕の宝物です。どうか、幸せに。──遥斗』
花音は慌てて遥斗の部屋に駆け込むが、もう彼の姿はなかった。窓の外では、最後の雪がしんしんと降っている。
花音は泣きながら遥斗を探したが、彼は二度と現れなかった。




