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3章
二度目のバレンタイン
遥斗と出会ってから一年。再びバレンタインデーがやってくる。
花音は手作りのチョコレートを作った。ハート型のトリュフに、想いを込めて。放課後、いつもの公園で、雪がちらつく中、花音は遥斗にチョコレートを差し出す。
「遥斗君、私、あなたのことが好き」
遥斗は驚いた表情で固まる。そして、ゆっくりとチョコレートを受け取った。
「花音さん、ありがとう。でも僕は…僕が誰なのか、まだ分からないんだ。記憶が戻ったら、ちゃんと返事をさせてください」
花音は頷いた。それでも、想いを伝えられたことが嬉しかった。
その日から、二人で過ごす時間はさらに増えた。手を繋いで歩き、一緒に夕食を作り、笑い合った。花音は幸せだった。




