4-19母上との面会
「じゃあ子供が領地を継いでるのはなんでだ? 国王に選ばれてるのか?」
混乱しているらしいフレイアが首を傾げた。
「選任任命が形骸化してるのよ、いろいろ分かってる子供が継ぐのが一番簡単だから、形式上は国王が任命したという形になっているけど、実際は世襲してるのよ」
「へぇ、じゃあ任命の制度なんて無くせばいいのに」
「跡継ぎについて国王が口を出す権限を残しているのもあるし、跡目争いに対するある程度の抑止力にはなるのよ、形式上とはいえ国王の決定した事に異を唱えるのは覚悟がいるでしょ?」
「あぁ……」
理解しているのかどうかわからないような声をあげるフレイア。脳筋がわかるまで説明するなんて、面倒くさい。これ以上説明しなくて済むように、私はアリードに顔を向ける。
「それでアリード、私に計画があるのよ、身の危険も回避して、領主と同等の権限を得るための計画がね」
すでに準備は始めている。
「アリードは屋敷の敷地内にユウマの住まい兼仕事場を準備してもらえるかしら、ただ私の指示があるまで、周りには内密にね」
「かしこまりました」
まだ少し不安そうな表情をアリードが浮かべる。それでも信じてくれる気になったのか、いつもの雰囲気に戻って問いかけてきた。
「どのような計画なのかお聞きしたい、その計画に関わる指示ならば、場所に関して考慮しなければ」
「えぇ、そうね、計画というのは……」
一週間が経過した。今の所は暗殺にやってくる輩はいない。やはりじっくり計画を練っているのかもしれない。フレイアが護衛についているというだけで、相当のプレッシャーなのだろう。残念ながらトーマスだけでは、こうはならなかっただろう。
今は母上を訪問するため、化粧部屋の前までやってきていた。最近ずっと母上はこの化粧部屋にこもっているらしい。すでに昼食の時間を過ぎているのだが、出てこない様だ。母上の身を案じる甲斐甲斐しい娘。今日はそれを演じながら、計画の仕上げの為に母上に面会に来たのだ。
「母上?」
「?!」
私の声に動揺したらしく、小さな声とガタリという物音が聞こえてくる。
「ヴィオラちゃん」
ややあってそんな声が返ってきた。音を立てない様にしていたようだが、かすかに何かをしていた音が聞こえていた。何をしていたのか。
「入ってよろしいですか?」
「えぇ」
母上の声を聞いてから、ドアノブに手をかける。ドアを開けると、そこに座っている母上の姿が見えた。
「ッ! 母上……どうしたのですか」




