4-16思考が手に取る様にわかる
あの豚はそういう人間だ。このまま私を野放しにすれば、自分の身に危険が及ぶかもしれないと考えたのだろう。娘であっても、邪魔者は消す。さすが私の父親である。思考が手に取るようにわかるw 現に私も同じ様な事を現在進行形で計画しているのだから、文句は言えないw
「ヴィオラ様」
アリードが呟くように口にする。それから意を決した様で、表情が一変した。
「充分力を蓄えました、ヴィオラ様の支持率も高まっています……今こそ挙兵すべきです、サベルアルトを討つべきです」
「そうです! ヴィオラ様を暗殺なんて!」
トーマスが一番に賛同した。怒りに満ちた表情だ。私の為に怒ってくれている。
「うーん」
フレイアがそんな唸り声をあげる。それから眉をひそめて言葉を続けた。
「理解はできるが、挙兵ってのは物騒だな……あのおっさんぶん殴って済ませられねぇの?」
そう簡単な話ではないが、半分はその通りだ。
フレイアの言葉に反論しようとしたトーマスとアリードを、一旦手で制して黙らせる。
「殴るというのは別として、フレイアが正しいわ、ただのお家騒動なんて、無駄でしかない」
「しかし」
トーマスは引く気がないという感じで、そんな言葉を口にする。それを遮る様に言葉を続けた。
「それで結局、しわ寄せは民に行くのよ、外敵から自領地を守るための戦いならばまだしもね……するべきではないわ」
いくら今支持率が高まってきているとはいえ、自分の父親を討ち取ったとなれば、どんな理由を掲げていても、やはり良い顔をしない者がいる。そこから革命につながる恐れがあるのだ。あるいはその黒いしみは結局、じわりと広がっていくだろう。妬みを燻らせている者たちがいれば、それを利用されかねない。
「民を思う心は素晴らしいですが、それで自らの命を差し出して、悪政を続けさせれば結果的に民を苦しめるのですよ」
アリードの言葉にトーマスとルーが同意して口々に声をあげる。
アリードらしくない。私がやろうとしている事を予想していないのか、それともそれでは解決できないと考えているのか。
「命を差し出す気はないし、悪政をこのまま続けさせるきもないわよ」
安心させる意味も込めて、ニヤリと笑って見せる。すでに計画は動き出している。そのためのユウマの勧誘だ。このタイミングでのユウマの登場は本当に運がいい。あとは仕上げをするだけだ。
「とりあえず安心して、もう手を打ってある……それでトーマス、ルー、二人に頼みたいことがあるのよ」




