4-14魔力伝導率
魔力の変換はダイレクトに属性に関わる現象や物、つまり火や水、風のような物に変換する直接変換と、すでに存在している属性に関わる現象や物を操る事が出来る魔力に変換する間接変換がある。
土や風はほとんどの場合は身近に存在しているため、間接変換で済むが、火は直接変換しなければ使えない場合が多い。そして、直接変換は負担が大きい。所詮は人間だ。精霊を介してはいても、自然現象を直接発現させるのは、身に余る行為なのだ。
「直接……変換? ですか」
トーマスが呆けたように呟いた。基本を教えただけで、そこまで詳しくは教えていない。わからなくて当然。
「おぉ、トーマス、置いてきぼりにしてるな……説明がめんどくせぇ、体で覚えな、理屈は後から理解できるさ」
あっけらかんとフレイアが笑う。まぁ、師匠はフレイアなのだから、口は出さないでおこう。それにトーマスは賢い。フレイアの言うとおり、感覚がわかれば理解できるだろう。
「話が脱線したが、何が言いたいかというと、アタイみたいにその剣で得意武器を作り出せばいいって話だ」
「でも、魔力伝導率が高くないとできないのでは」
いろいろと理解が追い付いていないトーマス。そのせいで自分が間違っているのでは、という感じに恐る恐る問いかけた。
「出来ないのに提案するほど馬鹿じゃないぞ、アタイは」
「いえ、馬鹿とかそういうつもりでは!」
少し膨れた表情を浮かべたフレイアを見て、トーマスが急いで否定する。とりあえず思った事を言っているだけかと思ったが、違ったのか。
「……その剣な、多分だけど魔力伝導率高いぞ、そうだろ? お嬢」
突然話を振られて、少し驚くが耐える。そうなのか。適当に作った剣なのに、そんな事になっているのか。
「え……えぇ、まぁ」
わ、わかってましたが何か?
「もしかして、これを見越して……さすがです、ヴィオラ様!」
トーマスが満面の笑みを浮かべた。あっキュン。可愛い。全力で私を信頼する笑顔がたまらん。私の言う事は何でも聞いちゃうのかしら。はぁはぁ。今度夜の秘め事をすれば、強くなれるとか言ってみようかしら。ぐへへ。
「トーマス、魔力を手のひらに集めて、その剣を握ってみろ」
フレイアに言われて、笑顔から真剣な表情に変わるトーマス。あっ、キュン。ギャップ萌え。
トーマスが言われた通りにすると、確かに剣に魔力が沸き立ち始める。本当に魔力伝導率が高いらしい。私の魔力が練り込まれているからだろうか。
「これで、この剣を使って戦える」




