3-12地下牢へ
一通り話を聞き終えて、館に戻ってきた。そして自室に直行すると、ベッドに飛び移る。仰向けになり、体を大の字にして天井を見つめた。
「もぉヴィー様、はしたないですよ……それと外出着からドレスにちゃんと着替えなければ」
小声が聞こえてくるが、考え事がしたくて軽く返事をするだけに留める。諦めたようなため息が聞こえた後、ルーは「どうでした?」とトーマスに問いかけていた。
「はい」
トーマスの返事の後、聞いた内容を語り始める声が聞こえてきた。
さて、これからどうするか。副団長を消すだけでは、地下牢の者を解放する口実は得られない。口実を得るために、いろいろ策を講じる必要がある。
それからフレイアの事だ。今まで興味がなかったせいで考えもしなかったが、館の地下牢に投獄されている。館の地下牢には真の犯罪者がいる可能性は低い。そう考えると、フレイアはハメられたかもしれないという事が真実味を帯びてくる。フレイアに話を聞いてみるか。
「ちょっと地下牢に行ってくるわ」
上半身を起こしつつ、二人にそう声をかける。突然の話で、トーマスとルーが目を見開いてこちらに揃って顔を向けた。
「地下牢ですか……」
少し嫌そうにルーが声をあげる。地下牢にあまりいい印象がないらしい。いや、みんなないのが当たり前だろう。好きな人はいない。
「大丈夫よ……あと一人で行くわ」
ついてくる気でいたトーマスが、驚いたように「え?」と声をあげる。
「大したことではないし、あまり知られたくないから、素早く行って素早く帰ってくるわ……そうするには一人の方が楽なの」
窓から飛び降りて、隠密行動をして、壁を登って窓から戻る。正直トーマスではまだついて来れない。足手まといなのだ。トーマスが尻尾を落とす様に肩を落とす。抱きしめて撫でまわしたいところだが、堪えてベッドから降りる。
「二人はこの部屋に私がいるかのように振舞って」
返事を聞かずに、窓を開けてそこから飛び出した。
地下牢の中。入口で見張りの衛兵を軽く脅して、口止めとフレイアの牢の場所を聞き出し、中を進んでいた。教わった牢は奥の方の場所。奥に進めば進むほど、なかなか頑丈な作りになっている。フレイアがどれくらいの実力かわからないが、壁や鉄格子を壊すことができない様に、奥の方に入れられているのかもしれない。
「ここね」
教わった牢の前に立つ。中には赤髪の女性が、壁にもたれかかってうつ向いて座っている。片膝を立てて、貴族の子女らしくない座り方だ。粗暴な印象を受ける。まぁ牢にこんなに長く入れられていたら、みんなこうなるかもしれないが。
「あなたが、フレイアかしら? 元騎士団長の」




