2-23今日は特に何もない一日だったw
「なに……を、いっ……ぐっ」
頭が苦しそうに、何とかという感じで振り絞って声をあげる。しかし耐え切れなくなったのか、うずくまりながら地面にゆっくりと崩れ落ちていく。
「急にどうし……まはれ?」
頭が倒れたのを見て、後ろの愚物たちは駆け寄ろうとした。しかし、力が抜けてしまってうまくいかずに、その場で崩れ落ちていく。ついに始まったらしい。バタバタと人が倒れる音と呻く声が辺りに広がる。
「どうしたのですかぁ?! 気分でも悪くなりましたかぁ?! いけないわぁ、お医者様を呼んだ方が良くてぇ? くははっ!」
「なにか、いれたか、てぇめ」
頭は倒れ込んで居るのにもかかわらず、顔だけこちらに向けてすごんでいる。全く怖くないがw
「な、にが……た、いりょう虐殺しないだ、こんなの立派な虐殺だ……!」
「力を振り絞って頑張ったのね、ちゃんと言えて、偉い偉いw くははっ!」
頭が言い返そうとしたらしいが、まともに声にならない。ヒューヒューと息が漏れるような音だけが聞こえてくる。そして、口から汚い血液を吐き出した。私は数歩後ろに下がってから、そんな頭に声をかける。
「それで、私たちは毒なんて入れてないわよぉwそんなひどい事するわけないじゃないw疑うなんてひどいわぁw」
もちろん嘘である。今日の食事に毒を入れた。アリードに用意してもらったものだが、質のいい毒物だったらしい。効かないなんて事が無くてよかった。アリードはやはりいい仕事をする。
「私たちがここで食事を与えているのは、周りの街民には知らせていないのよ、知らせる義務もないしね……だからあなた達は食べ物を求めて傷んでいる物を食べてしまった、そういう事ね、よくある事でしょう?w」
頭は汗をだらだら流し、それでもこちらに視線を送る事をやめない。なかなか気合の入った愚物らしい。後ろの愚物たちはすでに果てているのに。
「ついでに言うと、みんな同時に倒れてしまったなんて言わないから安心してwみんな別の時期にバラバラに亡くなったのよ、そして今日は特に何もなかったw……と言ってもあなた達スラムの者がいくら死のうが、街民たちは状況を気にしたりしないでしょうね、設定を決めるだけ無駄かもしれないわぁwくははっ!」
頭は意識を失いそうな雰囲気で、視線を漂わせ始めた。それでもまだ生きているのはすごいのでは。気合で意識を保っているのか。
私はしゃがみこんで、頭と視線の高さを合わせる。憎き相手の顔を真正面に捉えたからか、最後の力なのか、頭の憎しみのこもった視線が一直線に私を突き刺した。
「ただの犬死ご苦労様w礎にだってしないわよ、あなた達の事なんかwくははっ!」




