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謀略令嬢〜邪魔なら消してしまえばいいじゃないw〜  作者: 高岩 唯丑
1巻 処刑された悪役令嬢はやり直す

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2-20生きている価値はある

「……詳しく聞きましょうか」


 とりあえず続きを話す様に促す。


「スラムで私たちは誰かに世話になる事でしか、生きてこられませんでした」


 老婆の言葉で、後ろで丸くなっている者たちが一瞬だけ震える。自責の念でも感じたか。


「私たちを見捨てずに助けてくれた子たちは、先に行って私たちを受け入れる準備をしてくれるとまで言ってくれています」


 トーマスの様な子たちが、まだいたという事だ。


「それで、どうしてそれが生き残っていいかどうか、という話になるのかしら?」


 少し面倒な気持ちになり、おざなりに問い返す。ここまで聞けば、続く言葉は想像がつくからだ。


「私たちはあの子たちの足を引っ張るだけです……生き残る価値があるのでしょうか」


 なんとも短絡的な考えだ。なぜそれで、死ぬべきとなるのだろうか。チャンスがあるのだから、いくらでも方法はあるというのに。


 じゃあ、死ねば、という言葉が出かかってグッと堪える。それがため息に変わってしまって、口から出てしまった。


 愚物どもは人を邪魔して虐げて人の足をひっぱり、それでも生きていいと思っている。かたや相手を思い、足を引っ張る事を良しとせず、自分の命を投げ出そうとする者がいる。どちらが真に生き残るべきか明らかだと思うのは、私だけだろうか。


「……生きている価値はあるわね、あなた達の分の税収も私に入るもの、それがあなた達以外が稼いだ物であっても、私の知った事じゃない」


 老婆が口を開きかけて、結局何も言わずに黙る。足を引っ張る事を気にかけているのに、それの解決にはなっていない答えが返ってきた。それについて何か言おうとしたのだろう。だが、私の言う事は領主側としては正論でしかない。否定するなどお門違いだ。老婆はそれを理解して口をつぐんだのだろう。


 老婆をはじめ話をしに来た者たち全員が、うつ向いてしまう。もぅ面倒くさい。まぁ、始まるまでまだ少し時間はある。時間つぶしに話してやるか。別に助けてやるわけではない。あまり助けてしまうと成長の妨げだからだ。だからこれは戯れというやつだ。


 私は何となく体の向きを変えて、老婆たちに背を向ける。


「あの……あれよ、誰でも何でも売れる市場を作るのよ、農作物を作れと言いはしたけど、農作物以外も売っていいのよ……それに」


 ここまで言ってしまうのは、いいのだろうか。自ら気づくべき事である。いや、助けるわけではない。これは戯れ。ただの時間つぶし。というかこいつらの成長の機会など、価値などないのではないか。

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