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謀略令嬢〜邪魔なら消してしまえばいいじゃないw〜  作者: 高岩 唯丑
1巻 処刑された悪役令嬢はやり直す

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2-19本当に、私たちは

「ヴィオラ様がそのような事」


 反論があるとは思わなかった。口を開いたトーマスに、つい強い口調が出てしまう。


「あ? 私の指示に従えないのかしら?」


 自分でも驚くほど低い声になってしまった。怖がらせるつもりは無かったのだけど、ただ今日の事は二人には見せる気はないのだ。


 驚きと少しの恐怖がまじりあった表情。少し体を強張らせたトーマスとルーが後退って頭を下げる。


「申し訳ありません……今日は農地予定地に参ります」


「よろしい……では行きなさい」


 二人はドアまで移動して、頭を一度下げるとそそくさと部屋から出て行った。


「はぁ~……嫌われたかしらね」


 それなりにいい関係を築いていくために気を付けてきたけど、こういうのは一発でダメになったりするから、面倒なのよ。それでも処刑回避のために、仲間を増やしていかないといけないから我慢するが。


「まぁいいわ」


 出発するために、立ち上がる。スラム街、いや今日から市場街予定地かしら。



「さぁ、たくさん食べて早く体力を戻してくださいね」


 スラム街の広場でそんな声をあげた。配られた食事を受け取った者たちは、揃って血色がよくなり、体の肉付きが良くなっている。明らかに体力は戻っている。にもかかわらず、ここに残って施しを受け続けている。先に行った者たちを一度見たが、あの者たちの方がまだここでの施しが必要だったのではと思うほど。


 食事を食べながら、気持ち悪い笑い声をあげている。かすかに聞こえてくる言葉に「お嬢さんはちょろいぜ」だとか「農地予定地でアイツらが全部整えてくれりゃあ、今度はそっちで遊んで暮らせるぜ」なんてものがある。農地予定地で弱い物を虐げ奪い生きていくつもりなのだろう。良い印象を受けない者たち。トーマスを虐げていた愚物と似通った人相ばかりだ。


 雷が鳴った。昼間だというのに、少し暗い。空を見上げると、どんよりと曇っている。今にも雨が降り出しそうだ。処刑の時も思ったが、神はいるのかもしれない。今日のシチュエーションにマッチした空模様だった。


 食事をしている者たちが、またゲラゲラと笑うのが聞こえてくる。よかったわ。楽しいようで何より。


「楽しみなさい、最後の晩餐なのだから、くははっ」



「ヴィオラ様」


 後ろからアリードの声が聞こえてくる。振り返るとアリードとシズク、それから老婆とその他スラムの者が十名ほど。


「何か問題でも?」


「いえ、この者たちが話したいと」


 後ろに控えたスラムの者たちが、申し訳なさそうに背を丸める。


「なに?」


 そう問いかけると、やはり代表して老婆が口を開く。


「話を聞きました……我らは命を助けていただけると」


 老婆は勿論、足を引きずっている者など、どこかに古傷がある者たち。治りはしているものの、普通に活動ができない者たちだ。シズクに会話などを盗み聞きさせて、人柄を確認している。


「それが?」


「本当に、私たちは……生き残っていいのでしょうか?」

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