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謀略令嬢〜邪魔なら消してしまえばいいじゃないw〜  作者: 高岩 唯丑
1巻 処刑された悪役令嬢はやり直す

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1-19牢獄に侵入

 牢獄の入り口に向かって、堂々と歩きだす。すぐに見張りの衛兵が私に気づいた。そして、一瞬戸惑った様子を見せた後、姿勢を正して挨拶をしてくる。この反応はどちらの物だろう。こんなところにいるはずのない人物が突然現れたことに対する驚きか、捕縛を命じられていたもののいざ目の前にして怖気づいたのか。


「ご苦労様」


「はっ」


 とりあえず挨拶だけして、牢の入り口を通り抜けようとする。衛兵は驚いたようにして声を上げた。


「お、お嬢様?」


 反応から察するに、何も聞かされていないらしい。ここにトーマスはいないのだろうか、と不安になってくる。だがすぐにそれはないと思い直した。父上は投獄を指示した。ここにいるのは間違いない。むしろ私がここまで来ることを全く予想しておらず、見張りの衛兵にまで指示が下りてきていないという方が正しそうな気がする。やはり愚物ばかりか。


 声掛けを無視して通り抜けようとすると、衛兵は恐る恐るといった感じで視界に入ってきて問いかけてくる。立ちはだかる勇気はなかったらしい。


「お嬢様、し、失礼ですがどのような御用で? ここは牢獄です、どこかとお間違いでは?」


「間違いではないわ、何か問題でも?」


 とりあえず睨みを聞かせて、有無を言わせない様に圧力をかける。衛兵は口ごもり、顔を歪ませる。


「通るわね? まさかあなた程度の物が、私の行動を制限しないわね?」


 耐えられなくなったらしい衛兵は、片膝をついて頭を下げた。


「もちろんでございます、お嬢様のお心のままに」


「よろしい」


 まぁ、声をかけてきただけでも、褒めてやってもいいわ。二人いた内のもう一人なんて、入口の所で顔を青くして立ち尽くしてるだけだ。よくやったと思うわ。


 私はそのまま、牢獄の中を進む。とりあえず、私が牢獄に入ったことは報告がされるはずだ。使用人たちの報告ですでに近くまで来ているだろうから、時間がほとんどないと考えていい。


 もうこうなれば身をひそめる必要もないし、静かにする必要もなくなった。どうせ見つかっているのだから、声をあげてトーマスを探すだけである。


「トーマス! どこにいるの?! 返事をして!」


 声をあげながら薄暗い牢獄を進む。声に反応した関係のない罪人たちが「助けて」と呻いている。かなり弱っているらしく、大きな声も上げられない様子だ。税収の元が、こんなにも無駄になっているのか。もったいない。助けてやれば、私を馬鹿みたいに妄信してくれそうだ。ここの事も、手立てを考えるとして、今はトーマスだ。


「トーマス!」


 それほど時間は経っていない。声も上げられないほど痛めつけられたりは、まだされていないはずだ。どこにいる。


「……ヴィオラ様?」

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