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中学生外国人編⑤

リサとリナの家に着いた。

「ただいま。」

「お邪魔します。」


階段を登り、リナの部屋に行く。

『リナ、入るわよ。』

『い、いいわよ。』


昨日見た時よりも部屋がかなり片付いている感じがした。

『なんだか随分綺麗になったな』

『き、気のせいでしょ!?』

『昨日、ずいぶんと部屋から音がしたけれど、部屋を片付けていたのね。』

『私が昨日何しようと勝手でしょ!…というか勉強するんでしょ!ユウトは入って、お姉ちゃんは出ていって!』

『お、おう。』

『私も入るわ。』

『え、お姉ちゃんがなんで入るのよ。』

『別に・・・見張りよ。あなたたちが真面目に勉強するか見届けるのよ。』

『意味わかんない・・・もういい。お姉ちゃんは放っておいて、さっさとやりましょうよ。』

『まあいいか・・・じゃあ早速始めるか、リナ。』

『うん!』

『妹をよろしく頼むわよ。』

『立ったまま腕を組んで言われるとすげえ怖いな・・・』

『ユウト、お姉ちゃんはもう無視した方がいいよ。』

『全部聞こえているわよ。さっさと始めなさい。』


俺とリナはため息をついた。

『はあ・・・で、ユウト、何から始めればいいの?』

『まぁ、とりあえず日本語からだろ。そうそう。リサじゃ下手すぎて全然分からないってマジなの?』

『マジよ!お姉ちゃんったら、いきなり私に四文字熟語とかいうものを教えてくるのよ。普通は挨拶とかからじゃないの?』

『うわあ・・・やっぱりリサってヤバい奴だな・・・それじゃあ、まずはリナの日本語レベルから確認するか。』

『だから、全部聞こえているわよ?』

リサが腕を組みながら震えた声で言ってくるが、全部無視してリナの日本語レベルを確認をした。



『うん・・・OK。リナ結構日本語話せるな。驚いたよ。』

『え、そう?あはは。小さいころは日本にいたしね。』

『そうだったんだな。発音はあまりよくないけど、日本の幼稚園児くらいの簡単な会話はできてるね。これなら現代文でなければ割と早く問題は解けるようになるかもな。』

『そ、そうかな。』

『よし。じゃあ、今日は発音を練習しようか。発音がわかれば、俺の言葉も聞き取りやすくなるよ。』


俺は発音を丁寧に教えた。

『ユウト説明うまいね!すごく発音が良くなった気がするよ!』

『口や舌の形を意識するだけでかなり違うよな。』

『お姉ちゃんは、発音の仕方はとにかく真似なさいとしか言わないから困ってたんだよね。』

『ああ〜だよな。リサなら言うだろうな。』

『聞・こ・え・て・い・る・わ・よ!?』

俺とリナは振り返らずにひたすらにリサを無視して日本語の勉強をした。



翌日。


「ユウト、あなた私を無視したわね。」

「普通に邪魔だったからな…」

「あなた失礼ね。次から気をつけなさいよ。」

「無理。あれ・・・?リサが持っている本って、グリーンエメシスか?」

「何?あなたこの本を知ってるの?」

「グリーンエメシスってアメリカで超有名な野球小説だろ。友情・努力・勝利・さらには恋愛。笑えて泣ける最高の洋書だ。もう40冊続く超長編小説だけど、俺は全冊読んだぞ。」

「貴方分かってるわね。まさか、貴方とこんなところで気が合うとは思わなかったわ・・・」

「13巻からのケガからの復活が最高なんだよ。」

「同意するわ。13巻の手術を経ての復活は最高ね。」

リサと思わぬところで意気投合した。


「で、ここでピッチャーのマイケルが・・・」

「ね、ねぇ?リサさんとユウトくんは何の話をしてるの?私も入れてくれると嬉しいな。」

ハナが話しかけてきた。

「あなたには分からないことよ。」

リサがぶっきらぼうに返答をする。

「洋書だからね。ハナには分からないと思うよ。なぜか日本語訳の本も出てないし。」

俺も正直にハナに伝えた。

「そう…なんだ…わかった…」

ハナはすぐに振り返って、教室から出ていった。

「ちょっとハナさんに話してくるわ。」

「え、リサが?」

「ええ。悪い?」

「いや、仲良くしてやれよ。」

リサも教室から出ていった。


〜リサとハナの会話〜

「ハナさん、ここにいたのね。」

「リ、リサさん?」

ハナは泣いていた。

「あはは!ハナさん。あなた泣いているの?ウケるわね。」

「な、なんでそんな酷いことを言うの!?」

「私にユウトを取られて泣いているのね?」

「そ、そんなんじゃ…」

「あらそう。じゃあ、構わないのね。私がユウトを奪っても。」

「いや…いや!お願いだからユウトくんに手を出さないで!」

「うーん。そうねえ…貴方がそういうなら手を出すことにするわ。」

「な、なんで…?」

「ハナさんが嫌いだからよ。ずっと嫌いだった。私をいじめるリュウとかよりも嫌いたったわ。いじめられる私のすぐ近くで黙っていい子の顔をしている貴方がね。貴方のような悪い子が恋をして言い訳がないでしょう?」

「そんな…」

「それじゃあ、ユウトは諦めることね。」

「…わかった…そういうこと言うんだね。じゃあ、私からも言わせてもらうね。あのね。リサさんはユウトくんから好かれると思ってるのかな?…無理じゃないかなぁ?リサさんはいじめられていたぐらいだし。」

「ついに本性が出たわね。別に私じゃなくてもいいのよ。私の妹でも。別の人でも。それこそ貴方でさえなければ…ね。それではごきげんよう。」

リサは教室に戻っていった。



「お、リサ戻ってきたな。ハナとは仲良くなれたのか?」

「ええ…とっても。」

ものすごく不気味な笑顔だった。

「本当かよ…」

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