中学生留学前編
その後、順調に勝ち続けてリーグ戦を制したが、決勝トーナメントの俺が登板できない試合でボロ負けを喫した。
俺の投げられない試合で負けはしたが、みんなが頑張る良いチームであり、野球の面白さは十分にわかった。
さらに、俺は大会中にも大きく成長しており、打撃もピッチングも明らかに抜きん出た実力になっていた。
そんな中、父から言われた。
「ユウト、お前の将来のために中学からはアメリカ留学してみるか?野球、勉強のどれも良い刺激になるはずだ。英語力ももちろん鍛えられるしな。どうだ?」
俺は留学することを決めた。
野球も勉強、それからひっそりと努力しているボクシングも俺がどれだけ通用するか興味があったからだ。ただし2年で戻ることを決めた。中学3年目は高校で仕留めるべき奴と同じ高校に入るための準備もある。ボクシングも最終調整がいるだろう。
ーーーー
俺のアメリカ留学を妹は大反対をした。
「お兄ちゃんが行くなら、私も行く」と大泣きもしていた。
しかし、カノンは英語なんて全く話せないから行かせるわけにはいかない。
父からは「今から英語を勉強して、カノンが中学生になったらユウトのように、アメリカ留学すると良い。」という最もな提案をしてもカノンは大きく首を振った。
「私が中学生になったら、お兄ちゃんは日本に戻ってくるんでしょ!?私1人でアメリカいってどうするのよ!」
困り果てた両親と、キャンキャンとなくカノンがいたので助け舟をだした。俺が「日本に帰った時にはカノンとたくさん遊ぶことを約束するよ。長期休暇には必ず帰るからさ。」というと、「わかった…」と落ち着いてくれた。
こうして、俺は中学2年間もの間、ホームステイという形でアメリカ留学をすることになった。
ホームステイ先の第二の家族はとても良い人達だった。とにかく明るく優しい。
アメリカの学校でも俺は優秀な成績を納め、とても充実した日々を送った。
しばらくして、いよいよアメリカのリトルシニアのチームで野球をする日になった。
「お前が入団希望の日本人か。何?エースで4番を目指したいだと?ここでは実力が全てだ。見せてみろ。」
〜リトルシニアチーム ベンチ〜
「やたら見た目の良いの日本人が、エースで4番になりたいとか言って入団試験を受けてるらしいぞ。」
「はっ!夢みがちなジャップだな。」
「おい・・・今見てきたんだけどよ。投球もバッティングも、超ハイレベルだぜ。」
「なんだと…くっそ気に入らねえな。おい。お前らわかってるよな?久しぶりにやるぞ。」
「いいな。イケメンが泣く姿がみたいぜ。」
俺は無事入段試験には合格して、チームメンバーのいるベンチに向かった。
すると…
ガンっ
1人のやつがペットボトルを投げてきた。俺はそれをキャッチ。
「悪いな。手が滑っちまったぜ。いい反射神経じゃん。」
今度は別のところから、ボールが飛んできた。俺はギリギリで避ける。
「これも避けるとはやるじゃん。また滑っちまってよ。悪い悪い。」
笑いながら、男どもが俺に物を投げてくる。
俺はペットボトルとボールをそれぞれの持ち主に強く投げて返却した。
「いてえ!」
投げ返された相手は避けられずに、悲鳴をあげる。
俺は言った。
「すみません。返却しようとしたら、手が滑っちゃいました。」
「てめぇ!!」ガタッ
「お前ら落ち着けよ。悪かったな。これからよろしくな。」
180センチくらいはありそうな奴から謝られた。本当に中学生か?
「はい。俺も喧嘩したいわけではありません。仲良くしてもらえると嬉しいです。よろしくお願いします。」
その後、監督から集合の合図があった。
「よし集合!じゃあユウトも加えて早速紅白戦だ!」
試合中はお互いに本気でやり合うことができた。
俺は一軍相手にいきなり投手を任された。守備も適当にするんじゃないかと思ったが、野球は本気でやってくれるようで全員が必死に守ってくれた。そして俺も答えるように本気で投げたのに、結果は2失点もした。さすがはアメリカだと感じた。
〜練習終了後のユウトのいないベンチ〜
「クソ!俺たちは1回で10点は取る気だったのになんだザマは!!観戦の女どももアイツを応援していたぞ!」
「わかってる。この後、アイツは潰すぞ。お前らついてこい。」
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