小学校野球編③
「プレイボール!!」
一軍が先行。つまり俺がピッチャーの番だ。
スパーン!
「ストライク!」
周りがざわつく。アツトのリード通りにコースにストレートを投げ込んだ。
ブォン!スパーン!
「ツーストライク!」
もう一度ストレート。相手は空振りをしていた。
ブォン!スパーン!
「バッターアウト!」
最後はスライダー。3球三振だ。
こうして一回の表は順調に進み、わずか10球で3者連続三振で終えた。ここまで上手くいくとは思わなかった。アツトのリードのおかげが大きいな。
一回裏。いきなりタクヤはイライラしていた。
「ちっ。あいつらブンブン三振しやがって…」
裏はタクヤが投手だ。
「おらぁ!!」
スパーン!
「ストライク!バッターアウト!」
「二軍の雑魚に俺の球が打てるかよ。」
黄色い声援にタクヤが軽く手を振る。
タクヤも同じく三者三振で1回を終えた。
2回表はタクヤからの打線。
挨拶もせずに俺を睨みつけながら打席に入った。
初球はストレート。
スパーン!
「ストライク!」
「くっ。」
2球目はスライダー。
ブォン!スパーン!
「ストライク!」
タクヤは空振りをした。
「くそっ。」
3球目はストレート。
カンッ
「チッ!掠っただけか!」
二軍の守備はもたつき、タクヤの足が速いのもあり内野安打となった。
「悪い!ユウト!」
「いや、今のはタクヤが早かっただけだよ。全然気にしなくていいよ!」
後続バッターはカーブを引っ掛けて、ダブルプレー。その後も三振に取り、2回の表も3人で終わった。
2回の裏。俺からの打順だ。
ブォン。ブォン。
素振りをしてから打席に入る。俺の素振りだけでも強打者であることはタクヤにも伝わるだろう。
「お願いします!」打席に入った。
「ボール」
警戒されてるな。
「ボールツー」
なんだこいつ。ビビってんのか?
結局そのまま歩かされた。
ビビりやがって…
その後の後続バッターの時、俺は盗塁を決めた。タクヤのやつがクイックが苦手なことがよくわかった。
しかし、その後のバッターは空振り三振に終わった。
2人の目バッターは引っ掛けたが、味方のエラーで俺は進塁して、一三塁。
タクヤはキレていた。
「お前ら遊んでんのか!?足引っ張りやがって!」
そして3人目のバッターも引っ掛けて俺はその間にホーム生還。2回の裏は二塁残塁の1-0となり、リードした。
3回の表になり攻守交代する時に、俺はすぐにマウンドにいき、タクヤにだけに聞こえる声で俺は囁いた。
「逃げてんじゃねーよ」ボソッ
「なんだとテメェ!」
タクヤは俺の胸ぐらを掴んだ。
「え?なんのこと?」
俺はとぼけた。
「お前が俺に逃げるなとかぬかしたんだろ!」
「いや、俺は何も言ってないよ!?」
改めてみんなに聞こえるように、とぼけておいた。
タクヤは、周りから止められ、監督にも注意された。
「タクヤやめろ!俺は聞こえなかったぞ。とりあえず、胸ぐらを掴むのをやめてベンチに戻れ!」
「チッ!!」
そして、3回表の一軍の攻撃に移ったが、三者凡退に終わらせた。
ベンチを見るとタクヤがキレていた。
〜一軍ベンチ〜
「くそ。イライラするな。エラーしたせいで一点取られるし、逆に点は取らねえし。下手くそどもが。」
「ユウトのやつの球みたろ。間違いなく全国トップクラスだよ。」
「だからなんだよ。俺のが球は速えよ。俺に口答えできるほど、お前うまかったか?ああ?」
「…次は頑張るよ…」
「結果で示せよクソが。他の奴らも打てよ!俺が負けたみたいになんじゃねえか!」
一軍ベンチはどんよりとした空気になっていた。
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