小学校野球編②
紅白戦の当日、一軍が先にグランドで練習をしている。この後で二軍が練習予定だ。
「タクヤ頑張ってー!」
4人の女の子からの黄色声援が響く。
「あれは…?」
「ああ、タクヤのやつ見た目が良くて野球うまいからモテるんだよ。あの中の1人はタクヤの彼女だよ。」
「へー…」
なるほど。あんな性格悪い猿山の大将でも見た目と運動能力でモテるんだな。
…あいつから彼女も奪うか。
あの女がタクヤの彼女か。よし…
「あの…ここにハンカチが落ちてたけど、君達のかな?」
「は?みんなこのハンカチ知ってる?」
「わかんないー」
そりゃわかるわけがない。ベンチに転がっていた別の人のハンカチを拝借したからな。
「ってかあんた、タクヤと同じリトルのユニフォームだよね?あんただれ?」
気の強そうな女だな。まあ関係ない。紳士に対応しよう。
「俺はユウトだよ。少し前に復帰したんだ。そっか。じゃあハンカチは落とし物として届けておくよ。君は良く応援に来てくれてるの?名前は?」
「私はマキだけど。」
マキの隣の女の子が話を割り込んできた?
「ユウトっていうの?マキをナンパはやめといた方がいいよー。タクヤの彼女だからねー」
「ははは。ナンパはじゃないから安心して。でもタクヤの彼女だったんだ。今日、俺はタクヤと投げ合うからね。本当は俺を応援して欲しかったんだけど残念だな。みんな、もしも俺が野球うまかったら、俺のことも応援してね。」
「ユウトって結構ずうずうしいね!じゃあ、野球うまかったら応援してあげるかも!」
タクヤの彼女ではない子が言ってくれたが、マキからは辛辣な言葉を頂いた。
「タクヤより上手いわけないから、無理っしょ。さっさと戻って練習してなよ。」
「ああ。俺も結構自信あるんだけどね。じゃあ、見ててよ。頑張るからさ。じゃあ、また!」
女の子達の話を耳が少しだけ聞こえてきた。
「ねえねえ!今のユウトの顔見た!?カッコよかったよね!私本当に応援しちゃうかも!マキは応援できなくて残念だねー」
「確かに見た目は良かったね。野球の実力はどうだかわかんないけど。」
一軍に続いて、二軍の練習の時間になり、一軍の練習からそのまま残ってくれたキャッチャーのアツトから声をかけられた。
「おい。ユウトって言ったな。変化球は何を投げられる?」
「スライダーとカーブが投げられるよ。ただしカーブは普通って言われてるけどね。」
「じゃあ、スライダーは凄いってことか?サインを決めるから一度投げてくれ。」
〜キャッチャーのアツト視点〜
スパーン!
なんだこいつ…!?ストレートの速さはタクヤと同等クラスか?なによりノビが凄い…体感速度は圧倒的にユウトのが上だ。
次は、スライダーのサインを出してみるか。
スパーン!
あぶねえ!取り損ねるところだった。凄いキレだな…コントロールも良い。
次はカーブを見るか。
バン!
カーブというよりスローカーブという感じか。見せ球としてタイミング外すのはアリだな。
しかし、ユウトはまじでコントロールがいい。さらに一級品のストレートとスライダー。タクヤは県でもトップクラスのピッチャーだか、ユウトはそれ以上の可能性が高い…
二軍のユウト達と俺のリードVS一軍か。
圧倒的に一軍有利に見せかけて、いい勝負になるか?いや、それどころか…
ベンチに戻るとアツトはチームメンバーに話しかけられた。
「アツト!今のユウトのピッチングみたぜ。すげえ球じゃなかったか?今ベンチで話題になってたんだよ。」
ベンチに戻るとショートに声をかけられた。
「ああ。化け物かもしれない。間違いなく簡単には打たれないよ。俺もリードするしな。」
「うわ。そっか。アツトのリードも加わるのかよ…タクヤ大丈夫かな…?女と話してて全然ユウトのピッチング見てないし…」
「さあな…」
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