小学校学級委員長の姉妹編12
シズクはもう落ちたな。
俺がシズクを転ぶのを助けた時の、あの反応は明らかにこれまでとは違った。
実は、俺がシズクの足元に掃除道具を置いたんだけどな。
初恋を知らない少女に、恋心に気づかせるには有効な手段だったようだ。
さぁ、あとはトラブルを起こしに行くかな。
「シオリ!今日、修学旅行の件でちょっと相談したいんだけど、シオリの家に言っていいかな?」
俺はシオリとシズクの家に来ていた。
「お邪魔します!」
「あれ!?お兄さん!今日はどうしたの!?」
「ユウトくんと修学旅行の件で話をすることになったの!あっ、ユウトくんごめんね。私の部屋を片付けてくるからちょっとだけ待っててね!」
「あれ?シオリの部屋意外と汚れているのか?」
「うー、意地悪!汚れているのはちょっとだけだよ!待っててね!」
「ああ。りょうかい。」
バタバタとシオリが自分の部屋に行き、俺はシズクと2人になった。
「お兄さん…」
「シズク。そういえば言えてなかった。来週のウサギの世話なんだけど、修学旅行やその準備で忙しいから難しそうなんだ。スケジュール決める時に気づけば良かったんだけど、修学旅行を完全に忘れていたんだ。ごめんね。」
「う、うん…わかった…」
「本当にごめんな」
「うん…」
そして、シオリが戻ってきた。
「お待たせしてごめんね!じゃあ、ユウトくん、私の部屋に来て!」
「ああ。シオリ、お邪魔するね。」
「お兄さん、お姉ちゃん、まって…」
「…え?シズク…?どうして泣いてるの!?」
「お姉ちゃんは学校でも修学旅行でもお兄さんと一緒なんでしょ?じゃあ少しくらいお兄さんを譲ってよ。」
「え?シズク?なんの話?お姉ちゃん全然わかんないよ。」
「私、お兄さんとウサギ小屋の掃除をしてて、それももう直ぐ終わっちゃうの!できなくなっちゃうの!だから修学旅行の準備ぐらいお姉ちゃん1人でやってよ。」
「え?え?シズクが何を言っているのかわからないよ…」
「シオリ。俺が先生に言われてウサギ小屋の掃除をしてて、ウサギ好きのシズクにも手伝ってもらってたんだ。でも、本当は小学4年生の子に手伝わせちゃいけないから、内緒にしなきゃいけなかったんだ。」
「そうだよ。だからお姉ちゃんは我慢して!」
「シズク。シオリを攻めるのは違うよ。俺が修学旅行の思い出を作りたくて、俺がやっているんだよ。ウサギ小屋の掃除も大事だけど、俺たちは充分できているから、俺が優先していたんだ。」
「わかってるよ!私が全部悪いんでしょ!もういい!ごめんなさい!」
シズクは走って自分の部屋に入ってしまった。
ドアが閉まる音だけが鳴り、その後は沈黙が続いた。
「あ、あの…ごめんね。シズク、最近あの子ちょっと変で…」
「いや。俺もいろいろ配慮が足りなかった。ウサギ小屋の掃除の件も言えてなくてごめん。内緒にしておくことにはなっていたけど、シオリには言うべきだった。」
「そんなの全然いいよ。」
そしてまた沈黙が続いた。
「…今日は修学旅行の話をするのは難しそうだな…日を改めようか。」
「うん…ユウトくんごめんね。」
「こちらこそ。お邪魔しました。」
俺は帰路についた。
「ああ…気持ちいい…でもまだやることが…でも良かったな…良い表情だったよ。シズク…」
シズクの反応を反芻しながら、そして、口から溢れる涎を啜りながら、俺はゆっくりと家へ歩いていた。
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