小学校天才ピアニスト編⑦
それから、なかなか三人の予定が合うことはなくコンクール当日を迎えた。
「ユ、ユウト、き、緊張するね。」
「アヤカ、今日はやたらと緊張してないか?大丈夫か?」
ポンっ
「ひゃっ!?」
ポンっと背中を叩いたら、アヤカに悲鳴をあげられた。
「わ、わるい。驚かせるつもりはなかったんだ。」
「う、うん。こっちこそごめんね。」
なんだかギクシャクするな…
さらに、遠くではマコトが俺を睨みつけていた。
「マコトも頑張ろうな。」
俺は声をかけたが、マコトには無視された。なるほど…マコト、フラれたか?
コンクールは無事終わり、結果は俺が一位。二位はアヤカ。入賞がマコトだった。
マコトはあまりにも雑念が入った演奏をしていた。
アヤカはマコトに話しづらそうにしており、俺はマコトを呼んで話しかけた。
「マコト。マコトらしくない演奏だったな。雑念が入ってた。どうしたんだ?」
「ユウト、君は知っていたんじゃないか。なぜ僕がこんな演奏になったか。」
「いや。なんのことかわからないよ。」
「アヤカからは何か言われたか?」
「いや、何も。」
「そうか。まだか。俺はもうピアノをやめて勉強に集中することにしたよ。そして恋も…もうやめる…君のような天才がいては凡才の俺では精神が持たないんだよ。アヤカにもそう伝えておいてくれ。そして、もう僕の前から消えてくれ。」
「待ってくれマコト。なんの話だ。」
「うるさい!アヤカにも僕はピアノをやめると伝えておけ!…じゃあな、天才。」
ああ…気持ちいい。気持ちいい。
超気持ちいい…!
ああ、全部わかっていたよ。俺より劣る天才マコトくん。
アヤカもピアノも取られたマコトには何も残らなかったな。
前世ではプロピアニストで夫婦にもなっていたのに意外と簡単だった。
恨みはなかったが、君の不幸は無駄にはならなかったよ。
君の不幸。俺が美味しく堪能しました。
読んでいただきありがとうございます。
まだまだわずかなブックマークや高評価ですが、それが本当に励みになります。
1件ブックマークが増えるだけでもとても嬉しいです。
ぜひご支援いただけると幸いです。
よろしくお願いします。




