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逃げた神々と迎撃魔王シリーズ 

ルーネの冒険譚

作者: ノヴェル
掲載日:2023/12/23

 本文の漢字部分にはルビをつけてあります。

 ルーネはアルラウネのお姫(ひめ)さま。森(もり)のなかでマンドラゴラのこどもたちと暮(く)らしているの。


 アルラウネやマンドラゴラはお花(はな)の妖精(ようせい)のお仲間(なかま)なの。


 ルーネはマンドラゴラの子供(こども)たちに囲(かこ)まれて、みんなでなかよくたのしく、お歌(うた)をうたって暮(く)らしていたの。


 ────ある日(ひ)ルーネは夢(ゆめ)をみたの。


 フワフワときれいな、まぁるいお月(つき)さまのような乗(の)り物(もの)に乗(の)って浮(う)かんでるの。


 夢(ゆめ)の中(なか)では自由(じゆう)にお空(そら)を飛(と)べたのに、目(め)が覚(さ)めるといつも足(あし)には根(ね)っこが生(は)えてる……。



 ……大(おお)きくなったら、いつか飛(と)べるようになるのかな。



 夢(ゆめ)の中(なか)でいっぱい飛(と)ぶ練習(れんしゅう)をしていたのに……ルーネはわるい魔法使(まほうつか)いのメガネ男(おとこ)に捕(つか)まっちゃった。


 ルーネは今(いま)こそお空(そら)を飛(と)びたいと思(おも)ったの。



 ────でも飛(と)べなかった。



 ルーネの足(あし)には、やっぱり根(ね)が生(は)えていて、地面(じめん)から離(はな)れられないからなの。


 マンドラゴラの子供(こども)たちも、地面(じめん)から引(ひ)っこ抜(ぬ)かれて、悲(かな)しそうに泣(な)くの。


 わるいメガネ男(おとこ)をやっつけてくれたのは、頭(あたま)のおかしいと言(い)われている女(おんな)の子(こ)、カルミアだった。


 錬生術師(れんせいじゅつし)のカルミアは、ルーネにルーネという名前(なまえ)をつけてくれたんだよ。


 ルーネのお家(うち)を作(つく)ってくれたのは、カルミアとドヴェルガーのノヴェルなの。


 マンドラゴラの子供(こども)たちがいじめられないようにもしてくれたんだよ。



 カルミアといっぱいお話(はな)しを出来(でき)るようにって、友達(ともだち)になったノヴェルがルーネに言葉(ことば)を教(おし)えてくれたの。


 歩(ある)けないし飛(と)べないルーネのために、カルミアはルーネの乗(の)り物(もの)を浮(う)かぶようにしてくれたの。



 みんなはカルミアのこと頭(あたま)がおかしいって言(い)うよ。


 でもねルーネにとってカルミアは、夢(ゆめ)をかなえてくれる大魔法使い(だいまほうつか)いなんだよ。


 ルーネはカルミアが大好(だいす)きなの。


 だからカルミアのお願(ねが)はルーネも聞(き)くんだ。


 カルミアの大好(だいす)きな先輩(アスト)はルーネが守(まも)るんだから──────



 ──────今日(きょう)のルーネの夢(ゆめ)の中(なか)では、ルーネが大(おお)きくなって悪(わる)い奴(やつ)をいっぱいやっつけていたよ。


 カルミアに話(はな)せば、またお願(ねが)いをかなえてくれるかな?



 ────カルミアはお願(ねが)いを叶(かな)えてくれたよ。


 大好(だいす)きな先輩(アスト)を守(まも)るために、先輩(アスト)そっくりな先輩人形(ゴーレムさん)を作(つく)ったの。


 ルーネが乗(の)って、自由(じゆう)に動(うご)かせるんだって。


 夢(ゆめ)の中(なか)と同(おな)じだ。カルミアはやっぱりスゴい魔法使(まほうつか)いなの。


 

 ────────ルーネはまた夢(ゆめ)を見(み)た。今度(こんど)は山(やま)のように大(おお)きな先輩(アスト)に乗(の)るの。


 悪者(わるもの)たちをいっぱいやっつけて、マンドラゴラの子供(こども)たちも、安心(あんしん)して暮(く)らせる国(くに)を作(つく)るんだ。


 カルミアは困(こま)った顔(かお)をしていたの。ごめんなさい、ルーネがいつもわがままを言(い)うから。


 カルミアはクリクリって、優(やさ)しくルーネの頭(あたま)をなでてくれた。


「いいのよ、ルーネ。夢(ゆめ)はね、かなえるものではないの、作(つく)るものよ」


 夢(ゆめ)のようなお話(はな)しでも、ものを作(つく)るのに必要(ひつよう)な道具(どうぐ)になるんだって。


 カルミアは設計図(せっけいず)を書(か)き始(はじ)めた。


 そこには先輩人形(アストノイド)巨大化計画(ラージプロジェクト)と書(か)いてあった。


 カルミアもルーネと同(おな)じ夢(ゆめ)を見(み)たんだって。


 ルーネは嬉(うれ)しかったの。だから二人(ふたり)で夢(ゆめ)の中(なか)の出来事(できごと)がうまく行(い)くように頑張(がんば)ろうねと誓(ちか)ったんだ。



◇◆


 また悪(わる)い魔法使(まほうつか)いがやって来(き)たの。


 すごく恐(こわ)い、もやもやしたものが、カルミアを刺(さ)して、ルーネと先輩(アスト)を洞窟(どうくつ)の中(なか)に連(つ)れ去(さ)った。


「カルミアっ!!」


 ルーネと先輩(アスト)は力いっぱい叫(さけ)んだの。カルミアは死(し)ぬかもしれないのに笑(わら)ってた。


 それを見(み)てルーネはカルミアとの約束(やくそく)を思(おも)い出(だ)したの。



「わたしのかわりに、ルーネが先輩(アスト)を守(まも)ってあげてね」



 カルミアの大切(たいせつ)な先輩(アスト)はルーネが絶対(ぜったい)に守(まも)るんだ。


 ギュアァァァァァァ……


 マンドラゴラの子供(こども)たちも、先輩(アスト)の為に叫(さけ)ぶ。


 ごめんね、みんな。ルーネと一緒(いっしょ)に先輩(アスト)を守(まも)るちからを貸(か)してね。


◆◆


 悪者(わるもの)は強(つよ)かった。弄(もてあそ)ぶようにマンドラゴラの子供(こども)たちを次々(つぎつぎ)と燃(も)やしてしまい、ルーネが泣(な)くと楽(たの)しそうに笑(わら)うの。


 ────くやしい……くやしぃよう、カルミア。


 ────やっと動(うご)けるようになったのに……


 ────せっかく飛(と)べるようになったのに……



 カルミアたちが助(たす)けに来(き)てくれたの。


 でも悪者(わるもの)は嘲笑(あざわら)うように、先輩(アスト)とルーネを闇(やみ)の中(なか)へ引摺(ひきず)りこもうとした。


 カルミアは頭(あたま)がおかしい。だから大事(たいじ)な先輩(アスト)を悪者(わるもの)に奪(うば)われる前(まえ)に、魔法(まほう)の銃(じゅう)で撃(う)った。すごくいい笑顔(えがお)だったよ。



 悪者(わるもの)は悔(くや)しがりながら、お友達(ともだち)のフレミールのドラゴンの炎(ほのお)に消(き)えていった。


 ルーネも燃(も)えて灰(はい)になっちゃったけど、カルミアが本体(ほんたい)の株(かぶ)を預(あず)かっていたから無事(ぶじ)だったよ。


◇◇


 ────────ルーネは、カルミアや先輩(アスト)やみんなと一緒(いっしょ)に、また冒険(ぼうけん)の旅(たび)に出(で)る。


 今度(こんど)は砂漠(さばく)の国(くに)だって。


 きっとまたカルミアはいっぱいいっぱいトラブルに巻(ま)き込(こ)まれる。


 ルーネはもっともっと強(つよ)くなって、カルミアや先輩(アスト)たちをみんな守(まも)るんだ。



──── おしまいだよ ────

 お読みいただきありがとうございました。


 公式企画 冬の童話2024 四作品目となります。


 このお話しは拙作【錬生術師、星を造る】作品内でノヴェルという少女が、ルーネというアルラウネの子に、言葉を教えるために魔本を自分で作って読み聞かせる話しがもとになっています。


 応援、いいね、評価、ご感想等があればよろしくお願いします。

 

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[一言] 大冒険でしたね! これからも頑張れーーーー。
2024/01/01 15:44 退会済み
管理
[一言]  綺麗なタイトルで見てしまいました。  カルミア様何者!?強いですね!  めちゃくちゃ面白かったです!  
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