氷の街
進むにつれて、吹雪は激しく、気温は下がり続けている。
現在の外気温は-190℃。火星の最低気温が-133℃であるため、相当な寒さだ。
「パワードアーマーを着てなかったら凍死しちゃうよ、コレ」
隊員のほとんどはヒーターのついた軽装型パワードアーマーを着ているが、
それでも低体温症になる危険は十分にある。
ちなみに、木村はいまだに重装型パワードアーマーを着ていた。
「うぅ~……寒い……」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃない」
パワードアーマーのヒーターをガンガンに効かせていても、寒いものは寒い。
冷気は容赦なく艦に襲い掛かり、アンテナやガラス窓、飛行甲板を凍らせていった。
***
「前方に陸地!」
見張り員がそう言う。
それを聞いて、木村は双眼鏡を覗いた。
レンズ越しに、大陸が見える。
街のようなものがあるが、雪と氷に包まれており、人気はない。
木村がそれを見ていたその時、部下から報告を受けた太田が言った。
「司令。この先は、氷が分厚くて進めないそうです」
「そうなの? 仕方ない。ここでする錨泊するしかないね」
「わかりました。機関停止! 投錨!」
「しなの」やほかの艦は機関を停止し、錨を下ろす。
周りは氷や雪に包まれており、内火艇等のボートは使えなさそうだ。
***
「なんで僕たちも上陸するんですか?」
「やっぱり、第一印象が大事じゃん。艦隊の指揮官がいないと、国交を結べるものも結べないでしょ」
「じゃあ司令だけでいいじゃないですか」
「いやいや、一番陸地に近いのが『しなの』なんだから、その指揮官もいないと」
「はぁ……なるほど……?」
大陸国家との接触のために外務省から派遣されてきた外交官二人と、護衛の陸上自衛官二人、
そして、木村と太田は、氷の上に上陸した。
六人は積んできた78式雪上車に乗り、街へ近づいていく。
***
~サエナルト大陸南部・おそらく港町~
街は雪と氷に包まれており、建物の屋根や通りは白銀の絨毯で覆われていた。
寒風が吹き抜け、街は静まりかえっているようだった。雪上車が進む先には、人々の姿が見当たらない。
「異常だね。こんなに人けがないとは思わなかったよ」
木村が言うと、太田が尋ねた。
「住民はみな避難したんでしょうか」
「この寒さあったらあり得るけど……もともと廃墟だったって可能性はあるよね」
そんなことを話していると、雪上車の目の前に男が現れた。
「うわっ!」
運転していた自衛隊員が、急いでブレーキをする。
六人は車から降り、その男と接触することにした。
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