崩壊
そして、運命の10月15日。工事後の土地には魔力流に対抗できる機械を搭載し、
工事関係者やロボットたちは撤収。
住民の避難も終わり、大陸からは人が消えた。
動物たちもいつの間にかいなくなっており、大陸には何の気配も残っていない。
「静かすぎる……」
木村は、沖に停泊した「しなの」から大陸を眺め、そうつぶやいた。
双眼鏡越しに見えるユトラ大陸は、静寂に包まれている。
海にも波はなく、「しなの」艦内にはガスタービンの音だけが響いていた。
「嵐の前の静けさって奴かな……?」
直後、大森林を中心として巨大な亀裂が縦横無尽に走り、そこから魔力流が発生。
魔力流はあっという間に大陸中を呑みこみ、物理法則を崩壊させた。
土地は流動性を持ち、海へと流れ出す。
山が消えたかと思うと、大陸中が陰に包まれる。
上を見ると、『山』であった土砂の塊が降ってきていた。
土砂の波は街や森を洗い流すが、
その土砂も粘性を持った電流に飲み込まれ、ショートし、炭化する。
大陸は海と混ざりこみ、面積をどんどん減らしていく。
やがて、工事を行った場所だけを残し、海の底へ沈んでいった。
「凄いな……」
その様子を見て、木村はそうつぶやく。
護衛隊群の位置する場所も魔力流に飲み込まれているはずだが、
工事後の土地に取り付けたものと同じ機械を飛行甲板に取り付けているからか、
護衛隊群からは何の被害も出ていないようだった。
その機械の名前は、『安寺沢現実安定機』。
新日本空間研究所が開発した、魔力流に対抗するための機械だ。
細かい仕組みは長くなるので割愛するが、
魔力というのは、一種の『波』であることが判明している。
この性質を利用し、人工的に逆位相の魔力を発生させ、
波……『魔力波』を消滅させることで、魔力流や魔法を封じるのだ。
ただ、「しなの」や地盤強化工事後の土地に取り付けられている物は試作品であるため、
大きすぎたり、小さすぎたりする魔力には対応できない。
具体的には0.01~0.03hyt、400~500hytの範囲。
なお、『hyt』というのは魔力の単位であり、『ヒット』と読む。
通常の魔法や魔道具に使用される魔力量は10hytほどで、
大規模な魔道具や魔法になると、30hytほど消費する。
異世界人の平均魔力量は40hytで、日本人(地球人)の平均魔力量は0.0001hytだ。
空間や物体も微弱ながら魔力を持っており、その量は平均0.01hyt。
個人の魔力量が空間の魔力量を超えると、魔法が使えるようになる。
魔石に関しては特別で、通常は30hytほどの魔力を持ち、高品質な物になると100hytを越えることもある。
また、魔力は体を休めることで回復するが、
日本人はいくら休んでも0.0001hytを越えることはない。
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