爆撃
首相官邸。
彼らの前には『帝国爆撃計画』と書かれた資料があった。
「P-3Cを、爆装ねぇ」
P-3C。アメリカ製の、哨戒機である。
日本でも、海上自衛隊が所有している。
「はい。航続距離も十分ですし、量も多いですから。それに、旧式機ですし」
「まあ、それは確かに……」
「と、いうことで、加原重工、山崎重工、四菱重工、村中飛行機の四社でコンペを行っています」
「早くね?」
***
コンペの結果、四菱重工から挙げられた案が採用された。
この案は、P-3Cを少し拡張し、防衛用の機銃を搭載。
さらにボムベイを拡張し、多くの爆弾を乗せれるようにするものである。
退役したP-3Cから順次改造され、BP-3Cとなずけられた。
いうなれば、爆撃哨戒機である。
BP-3Cは、機銃を搭載したことにより、搭乗人数が増加。
増えた装備としては、操縦席直下の固定機銃、機体直下の回転機銃、
機体後部の回転機銃、翼下のミサイル、機体上部の回転機銃の四つである。
こんなに要らないだろ!と思うかもしれないが、ただでさえ日本は燃料不足。
燃料を食うジェット戦闘機をたくさんつけるわけにはいかないため、
一機のみでも、安全に爆撃作戦を遂行できるようにしたのである。
最終的に、BP-3Cは50機ほど生産された。
このBP-3Cはすべて、敵工業地帯の爆撃に使用されることとなった。
のちに言われる、ヴィロス大空襲の始まりである。
***
~エレゲンツ帝国・工業都市ヴィロス~
「あれは……敵の飛竜だ!?敵襲ー!!竜騎隊、全隊発進せよ!」
帝国軍ヴィロス駐屯地の見張り兵が、そう叫んだ。
兵士たちが飛竜に乗り、空へと飛び立つ。
そして、空を飛ぶ飛竜へと向かっていった。
「なんだあれ、でけぇ……」
「大きさは関係ない!撃ち落とすだけだ」
飛竜隊は結構な時間飛んでいるが、近づいている様子はない。
相手は、ものすごく高い空を飛んでいるようだ。
「くそぉー、全然届かねぇー!」
しばらく飛び、何とか魔法の射程に入ったとき。
敵の飛竜が『ダダダダダ』という音とともに、光魔法を飛ばしてきた。
「うわぁ!?」
飛竜や騎士はそれに撃ち抜かれ、地面へと落下していく。
彼らが最後に見た景色は、腹に穴を開けた敵飛竜の姿であった……
***
「目標地点に到達。投下!」
BP-3Cはボムベイを開き、大量の爆弾を落としていく。
そして、工業地帯のあちこちで炎が上がった。
***
ヴィロス爆撃・戦果および被害報告書
戦果
敵飛行隊の撃墜。
敵基地および工業地帯の破壊に成功。
民間への被害は確認できず。
被害
なし。
***
ヴィロス爆撃により、帝国の力は大きく落ちた。
日本はとどめとばかりに、帝都ケンシーへの降下作戦を立案したのである。
帝国皇帝は降下した『SAT』により捕縛され、テロ等準備罪で逮捕、起訴された。
東京で行われた裁判では、皇帝に無期懲役。
高官の多くは罪が問われなかった。
こうして、戦争は終わったのである。
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