ヘリ内部
「……ん?」
ヘリが基地のあるラトッサー市へと向かって行る途中。
三日月が、あることに気が付いた。
バックの中の調査用カプセルが、淡く光っているように見える。
それを取り出すと、中には黒い炎が浮かんでいた。
「どうした、三日月?」
「なんか、調査カプセルの中に変な色の炎が……」
「……なんか、魂みたいだな。イメージだけで話してるけど」
カプセルのガラス部分から内部を覗いた田中が、そうつぶやく。
すると、頭の中にエルラトの声が響いてきた。
『……おい、人間ども』
「!?」
驚く四人。
周りの自衛隊員も周りをきょろきょろしているので、
全員に声が聞こえているようだ。
『どうだ、これが私の力だ。恐ろしいだろう?』
「これってどれだよ」
『わからないのか? さすが低級知性だな。
私が火口に飛び込んでから、今までに発生した出来事のことだよ』
「ああ……
『この力さえあれば、私は人間の世界を滅ぼすことができる。
まずは貴様たちからだ! 覚悟しろ!』
エルラトがそう言った直後、三日月が調査カプセルをつかみ、近くの自衛隊員にこう言った。
「これ海に捨てたいんですけど、ドア開けてくれませんか?」
「ああ、いいですよ」
『待て待て待て待て待て! ちょっと待て! 悪かった! 謝る!』
「開けますよ。準備してください」
「わかりました」
『話を聞けぇーっ! 私の力は有用性たっぷりだぞ!? ほぼ全知全能だし!』
「キャラ違いすぎて草」
「田中君、現実でネットスラングを使うのは控えた方がいいぞ」
香川と田中がそんなことを言っている間も、
エルラトは捨てられないために必死の抵抗を続けていた。
『あっ、そうだ! お前の願いをかなえてやろう! 何が欲しい!?』
「一万円」
『わかった! すこし待て』
その時、突如発生した突風でヘリが大きく揺れ、一人の自衛隊員が転ぶ。
隊員のポケットから一万円札が飛び出し、三日月の頭に乗った。
『ほら! 一万円札だ!』
「……」
『これで私の力が本物だと……』
「捨てるのでドア開けてください」
「わかりました」
『待てって! そうだ、お前の知りたい情報を教えてやろう! 私はほぼ全知全能だからな!』
「宇宙の構造」
『……まって、ちょっと神格ネットワークで検索する』
「神格ネットワークってなんだよ」
田中のツッコミをよそに、エルラトは黙り込む。
少しして、エルラトは話し始めた。
『私のセキュリティクリアランスじゃその情報にはアクセスできなかった。別のにしてくれ』
「セキュリティクリアランスあるんだ……」
「じゃあヴォイニッチ手稿の内容」
『ヴォイニッチ手稿……? 神格ネットワークで検索する、ちょっと待ってくれ』
少しして、エルラトが口を開いた
『地球のデータはアクセスできないから別のにしてくれ』
「お前何も知らんやん。全知全能じゃなかったのか?」
『”ほぼ”全知全能だからな』
「う~ん……邪馬台国の場所」
『だから地球の情報はアクセスできないんだって』
「ダークマターの正体」
『えっと……なんだっけな。忘れた。他の情報にしてくれ』
「……捨てるね」
『待て待て待て!』
「というかなんでそんなに落とされること怖がってるんだ?」
『そりゃ海に落とされるのは怖いでしょ!』
「でも神なら死なんだろ」
『そりゃ死なないけどさ。一応空気を吸ってるわけだよ、私。
このカプセル密閉されてないでしょ?』
「まあ中身なかったし……」
『そして、私は今力が弱ってて、カプセルから出ることができない』
「はぁ」
『こんな状態で海に沈められたら、浸水で窒息してヤバい。
力が復活するまでそんな状態で過ごせっていうのか?』
「ちょっとかわいそうな気がしてきた……日本までもって帰ろうか?」
「まあいいんじゃね? カプセルにいる間は無害でしょ」
こうして、エルラトの魂を日本まで持ち帰ることにしたのだった。
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