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謎の施設

登山隊は、山の奥へと進んでいく。

太陽は西の空へ沈み、あたりは暗くなり始めた。


「暗くなってきたな……よし、ここらへんでキャンプしよう」

「わかりました」


登山隊は、山中の平らな場所にテントを設営し、 夜を明かす準備を始めた。


***


数時間後。田中は、物音で目を覚ました。


「なんだ?」


そうつぶやき、テントの入り口を少しだけ開く。

外は吹雪が吹き荒れており、開けた場所から冷たい風と雪が吹き込んできた。


「ん?」


吹雪の向こうに、人影が見えた。

龍田だ。森の方へと歩いている。


「龍田?」


テントの中からそう呼びかけるが、答えない。

田中は枕元に落ちていた高輝度フラッシュライトを手に取り、龍田のいる場所へと向かった。

吹雪が吹き荒れているため、進みにくい。


「あれ? どこいった?」


先ほどまで龍田のいた場所に到達するが、彼女の姿はない。

代わりに、足跡が森の奥まで続いていた。


「一人で行くのは危険だな……他の人を起こしに行こう」


***


その後、田中は香川、三日月、古賀を起こし、龍田を追うことにした。

他の隊員はキャンプ地に残していく。

書置きを残しておいたので、おそらく大丈夫だろう。


***

~エールラフィン山・森~


「この吹雪なのに、足跡が残ってるって不思議だな」


香川を先頭として、四人は森の中へと進んでいく。


「ん? 何かあるぞ!」


香川の装着している登山用ヘッドライトの光が、一つの洞窟を照らす。

足跡は、その中にまで続いていた。


***

~エールラフィン山・謎の洞窟~

洞窟をしばらく進むと、金属製の扉が現れた。

扉は一種の自動ドアに見え、隣にはコンソールのようなものが取り付けられている。


「なんだろ、これ」


そう言って、三日月がコンソールを触った。

すると、どこからか声が聞こえてくる。


『生命兆候を確認。解析システム作動。

解析中。解析中。……ホモ・サピエンスと断定。

防犯システムを解除。扉が開きます。ご注意ください』


直後、扉がゆっくりと開き始める。


「……入ってみる?」

「入るしかないな。龍田君が中に行ったのは確実だし……」


香川がそう言ったので、四人は扉の先へと進んでいった。


***

~エールラフィン山・扉の先の施設~

扉の先は、メカメカしい雰囲気の廊下だった。

左右の壁にはいくつもの扉が並んでおり、それらは入り口の扉によく似ている。

天井には蛍光灯の様なものが取り付けられているが、光ってはいない。

壁や床にはひびが走っており、長年の放置を思わせた。


「ん?」


ヘッドライトの光が、壁に貼られた一枚の紙を照らす。

どうやらこの施設の地図であるようだが、土くれで汚れていて文字などが読みにくい。

読める室名は『実験用チャンバー』『天候制御室』

『研究室A』『研究室C』『研究室D』『会議室』『避難用シェルター』『警備室』

『多目的トイレ』『資料室A』『資料室B』『大倉庫』『エレベーター』の13個だ。

『大倉庫』だけは、手書きの文字で書かれている。

挿絵(By みてみん)


「なんなんだ、この施設は……」


香川がそうつぶやいた。

龍田がこの施設のどこかにいるのは確実だが、

ここまで多くの部屋があると、探索には実に多くの時間がかかるだろう。


「どこの部屋から行く? やっぱ、一番近いっぽい『研究室A』?」


三日月がそう言った。

地図を見る限り、『研究室A』は近くの扉を開いた先にあるようだ。


「う~ん……別にどこから行っても変わらないだろうし、そこでいいんじゃないか?」


田中がそう答える。

ほかの二人も意義はないようで、『研究室A』へ向かうことになった。

「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


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