登山再開
登山隊は、やっと神殿を出発。登山を再開した。
吹雪はとっくの昔にやんでいる上、雪も固まっていないので登るのはそれほど苦でもない。
他愛もない話をしながらしばらく進むと、開けた場所にでた。
「おぉ……」
思わず、登山隊の全員が感嘆の声を上げる。
登山隊からはるか遠く、峰々を越えた先に、巨大な山がそびえたっていたのだ。
距離が遠いにもかかわらず、その大きさは富士山を越えているように見える。
ルスア半島にそれほど大きい山はエールラフィン山しかないので、
あれが、現在進行形で登っているエールラフィン山の最も高い場所――頂上なのだろう。
雲一つない青空と、雪に包まれた白い雪山。何とも映える景色だ。
「KP、写真術振ります」
「まだそのノリ続けるの? ……では、1d100で」
「はい、成功ですね」
「ダイス振ってないけどな」
龍田が胸ポケットから一眼レフカメラを取り出し、山頂の写真を撮った。
すると、それを見た三日月が、笑いをかみ殺しながら龍田に話しかける。
「ちょ、ちょっとまって……フフッ……い、今、胸ポケットから取り出さなかった?」
「取り出しましたけど……」
「フ、フフッ……あっははははは! っちょ! 物理法則どうなってんの!?
マジウケるんですけど! 質量保存の法則仕事しろよ! アーッハッハッハッハッハ!」
三日月は、堰を切ったように笑い出した。
ツボにはまったらしく、腹を抱えて大笑いしている。
「笑いすぎて涙出てきたんだけど! マジ副交感神経!」
「マジ副交感神経ってどういう意味だよ」
「アーッハッハッハッハ!」
ひとしきり爆笑した後に、三日月は冷静に戻った。
「あ~面白かった。本当にどーゆー原理なの? それ」
「ああ、このポケットに物を入れようとするとその物が小さくなって、
逆に取り出そうとすると物が大きくなるんですよ」
「なにそれすごい」
「これは、超常技術によってつくられた試作品の一つでして。
横浜魔法研究所に在籍している友人から、
不具合などがあってもいいなら――という条件でもらったんですよ。
あと、これは胸ポケット自体に機能があるんじゃなく――
コレをポケットに入れておくことで、先ほど言った機能が使えるようになるんです」
龍田はそう言って、胸ポケットから小型の機械を取り出した。
USBほどの大きさの筐体に、小さく『横浜魔法研究所-第211号試作機』と書かれている。
「超常技術……確か、魔法などの超常的な力を利用した科学技術の総称……だっけ?」
「その通り」
そう言って、龍田が小型の機械と一眼レフを胸ポケットにしまう。
会話が一区切りついたのを見て、香川が「さぁ、行くぞ」といった。
「面白かった!」
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