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ゴキブリ戦車

~エラサ丘陵~

フェラサ要塞の東に位置するエラサ丘陵。

そこに、自衛隊は布陣していた。


「時刻規正、1850……今!」


隊員たちが時計の数字を18時50分に合わせる。


「十分後に敵要塞への攻撃を開始する。それまで待機せよ。解散!」

「「了解!」」


***

~フェラサ要塞・見張り台~


「暇だなぁ……」

「ですねぇ……」


兵士達はそんなことを話しながら、真っ暗な外を見張っていた。

明日、中央から飛行戦艦が送られてくる。

それまで無事でいれば、敵を倒すことも夢ではない。


「……ん?」


一人の兵士が、丘の方で何かが光ったのを発見する。

その直後、見張り台は木っ端みじんに吹き飛んだ。


***


「敵襲ー! 敵襲ー!!」

「どこからの砲撃だ!」

「見張り台がやられたせいで分からん!」

「サーチライトで適当に照らせ!」


各地のサーチライトが点灯、周辺を照らす。

そして、陸自の戦車列を発見した。


「2時の方向、敵影ー!!」


直後、そこから大量の弾が飛んできて、要塞砲や防壁を吹き飛ばした。


「さっさと反撃しろぉー!!」


兵士達が要塞砲へと駆け込み、砲塔へと弾を詰め込んだ。

ハンドルで砲塔を回し、砲門をサーチライトの照らす陸自部隊へと向ける。


「撃てェ!」


砲煙と共に弾が飛んでいくものの、自衛隊の戦車列には届かない。

しかし、自衛隊の撃った砲弾は砲塔に命中し、それを吹き飛ばした。


「うわあぁああ!」


兵士達が爆風で吹き飛ばされ、要塞内の庭に転がった。


「要塞砲でかなうわけありません! 戦車隊を出しなさい!」


自衛隊による攻撃が続く中、

レトナ少将がそう叫びながら庭を走り回っていた。

フェラサ要塞に配備されている戦車隊は、旧式の戦車しかない。

しかし速度はあるので、陽動ならお手の物である。


***


G-92軽戦車「ラット」

ルスア中央帝国の開発した軽戦車。

装甲は薄く、火砲も弱いが、速度がずば抜けている。

その速度と茶色の迷彩、そして後部のアンテナから、

部隊内では「ゴキブリ戦車」と呼ばれているとか。

かつては高速戦車として活躍していたものの、

高度文明圏での戦車の開発競争によってあっという間に旧式化、

多数存在した車両は、処理にもお金がかかるためか、

ほぼすべてフェレト要塞に押し込まれている。


***


『敵の砲に当たったら一発でおじゃんだ! よけろ! よけまくれ!

近づいて、至近距離で敵をぶったおせ!』


G-92は草原を右に左にジグザグ走りながら、陸自部隊との距離を詰めていく。


***


「10、目標、正面の敵戦車群。対りゅう、中隊集中。指名!

10、各車、射撃開始! 距離良し……撃て!」


10式戦車隊が向かってくる敵戦車に向けて射撃を開始。

砲弾はG-92の大群を木っ端みじんに吹き飛ばした。


「命中。続けて撃て!」


さらに射撃。

G-92軍団はどんどん吹き飛ばされるが、それでもなかなか減らない。


『アパッチ01、これより敵戦車群への攻撃を開始する!』


AH-64Dロングボウ・アパッチがG-92軍団への攻撃を開始。

戦車砲による攻撃と合わさり、G-92軍団はものすごい勢いで撃破されていく。

そして、G-92軍団は全滅。自衛隊も物量攻撃で少々被害を受けたが、問題ない。

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