災害一日目 夜 濁流
~彩目駅前広場~
「な、なにこれ!」
日がすっかり落ちたころ。
揺れと共に、泥水が流れ込んできた。
成美は立ち上がり、周りを見る。
すると、南の方から大きな濁流が近づいてきていた。
「おいおいおい……! に、逃げなきゃ!」
自転車に飛び乗り、北へ向かう。
濁流は彩目駅や周辺の建物を飲み込みながら、成美へと迫ってきていた。
「逃げなきゃ……!」
しかし、道もひどくゆがんでおり、なかなか走ることができない。
横転した車や倒れた電柱が道をふさいでいる。
それを何とか避けながら進んでいくが、その先には大きな断層があった。
「どうしよう……!」
何か、何かないかとあちこちを見る。
すると、落下した看板がジャンプ台のようになっているのが目に入った。
「一か八か!」
速度を上げてそちらへと向かい、ジャンプする。
「うわぁあ!」
自転車と共に、成美の体は宙に舞う。
そして、断層を飛び越えた。
濁流は断層にぶつかり、そこで停止。
彩目駅や成美の家があった歌浜区は、すべて濁流に吞まれてしまった。
***
~神水市・すすき住宅街~
『神水地震について、続報が入ってまいりました。
海岸線決壊による海水の流入と地震の影響で、
沿岸部を中心に陥没が連鎖的に発生。歌浜区全域が水没状態に入ったとのことです。
現在、陸上自衛隊による救助活動が歌浜区を中心とする市南部から開始されており――』
成美は息も絶え絶えになりながら自転車をこぐ。
汗で髪が顔に張り付き、呼吸も苦しい。
「はぁ、はぁ……あっ!」
小石に乗り上げた事で自転車のバランスが崩れ、そのまま道路に倒れてしまう。
疲労からか、成美は立ち上がれなかった。
「……」
息を整え、ゆっくり立ち上がる。
自転車を押しながら、道を歩き始めた。
この住宅街は被害が少なめで、ほとんどの人が避難できたらしい。
成美は住宅街の児童公園に倒れこみ、そのまま眠ってしまった。
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
などと思ったら、
下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。
面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!
ブックマークもいただけると本当にうれしいです。
何卒よろしくお願いいたします。




