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新型トークロイド

~加原重工・トークロイド製造ライン~

機械の中で組み立てられたトークロイドが、ラインを流れている。

トークロイドの生産は一定の規格や構造以外はAIによるランダム生成データで行われるため、

人間と同じく全く同じ姿の機体はいない。

もちろん、似ている機体はいるが……


流れているトークロイドは服を着たのちにパッケージに詰められ、

卸売業者、もしくは加原重工の直売店に出荷されるのだ。


「山木さん?」


加原重工社員の声に、コンベア上のトークロイドを眺めていた防衛装備庁の職員は振り返った。


「そちらじゃなくて、こちらですよ」

「あ、はい」


彼は社員についていく。


***

~加原重工・格納庫~

「これが新型トークロイドです」

「新型ですか……これが」


自動運転フォークリフトがパッケージに入ったトークロイドを格納庫に並べていく。

そのトークロイドは従来のものと似ているが、それよりスタイリッシュになっている気がした。


「最新型の第六世代型トークロイドです。ここに並んでいるのは民間機ですが、もともと多数のハードポイントがついてまして、武装を取り付けることができますよ」

「……あの……民間機なのに、なぜハードポイントが最初からついてるんです?」

「え? ああ、それは、別売りのカスタムパーツを取り付けれるようにですね。

採掘用ドリルとか、溶接機とか、まぁ工業用の機械をいろいろと」

「なるほど……武装を取り付けれるってのは、いったい?」

「その名の通りです。ハードポイントに対応する機材を取りつけさえすれば、たいていの武装はつけれますよ。もともとつけるように作った武装は、10mmバルカン砲、ミサイルランチャー、小型ECM……くらいですかね。あとはドローン用のコネクターとか……ああ、あとFRP製の盾も」

「ほう……」


防衛装備庁職員は並んだトークロイドをまじまじと見つめた。


「で、これが仕様書です」


社員がA4の紙でできた資料を手渡す。

防衛装備庁職員はそれを開き、読んでいく。


「……なるほど。現在海上自衛隊で使われているものより、圧倒的に高い性能ですね」

「そりゃまあ、第六世代ですし。確か今海上自衛隊で使われてるのは――」

「第二世代です」

「ああ、そうでした。まあ、技術革新によって性能がずいぶん上がってますのでね」


防衛装備庁職員は少し苦笑いする。


「……それで、要求した機能はあるんですか? この仕様書には書いてないようですが……」

「ああ、たしか――完全防水能力、超耐冷、耐熱能力、あとは海上移動能力ですね。もちろん、ありますよ!

この機体は最低-100℃、最高100℃に耐えられ、水上では最高時速100kmで移動できます。あと、潜水時間も長いですよ。最大深度は130mです」

「……で、お値段は?」

「最新型ということで、お高くなってます。基本モデルは90万円ほど、武装をつけると、10万円ほど加算されます」

「なるほど……OK、わかりました。採用の可否は後程お伝えいたしますので、いったんお暇させてもらいますね」

「はい、ご検討のほど、よろしくお願いいたします」


***

その後、この新型トークロイドは自衛隊の装備として正式採用された。

***

~「しなの」艦橋~

「太田君、なんか面白いうわさ無い?」

「急ですね……あっ!」

「何かあった?」

「最近の異世界人による犯罪は、教国に買収された奴がやってるって噂があります」

「へぇ~」

「でも、ただの噂ですよ?」

「確かに噂だけど、あり得るかもな……」

「まあ、そうですけど……さて、この話はここで終わりますか!」

「そうだな。今日、新しいトークロイドが搬入されるらしいし」


トークロイドがはじめて自衛隊に導入されたのは、2024年というトークロイド黎明期。

それから現在まで、ずっと旧型のままだった。

ただ、2034年に防衛大臣が変わったことにより、新型の開発が開始。

そして完成したのが、新型トークロイドというわけだ。

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