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護衛艦「しなの」を奪還せよ!


「おっ、あそこから入れそうだぞ」

「どこですか?」

「ほら、あそこ。船体の穴」

「穴って……海面下じゃないですか。この猛吹雪で海に入ったら凍死しますよ?」


逸見岸壁。

箱の裏に隠れながら海面下を指さしたさくらに、直樹があきれ顔でそう言った。


「馬鹿、どっかに潜水服あったでしょ? あれ着ればいい」

「潜水服って……ありましたっけ?」

「一応あるはずっすけど……潜水服を着てたとしても、この気温だと冷たそうっすね」


翔がそういうと、さくらはむくれた様子で答えた。


「でも、舷門(正面入り口)からこんちわー、は無理があるでしょ」

「そりゃそうっすけど……まぁ、変なことしなければ、命にはかかわらないかな……?」

「よし! まあ私たちは−100℃の場所でも活動してたし、大丈夫っしょ」

「あれはパワードアーマーの驚異的な性能があったからで……もういいや、どうにでもなれ!」

「それでいいんですか……?」


あきれた様子で、アイがそういった。



少しして。

潜水服を着た五人は、逸見岸壁に立っていた。


「よし、いくぞ」


そういうと、さくらは海に飛び込んだ。

これに続いて、ほかの四人も海に飛び込む。


ドボン、という音とともに周りが青に包まれ、音がこもる。

奥を見ると、着底した「しなの」の船体には大きな穴が開いていた。


そこから中に入り込めば、そこは完全に水没しているものの、一目で船倉だということがわかる。


しばらく泳ぐと、艦船特有のきつい階段が見えた。

階段上のハッチを開くと、その先には水がない。

水面から顔だけを出して覗きこみ、誰もいないことを確認すると、上に上がって潜水服を脱いだ。


「はぁ~……水の中だとなんか窮屈だね」

「そうですか?」

『さて、ここは……第五甲板でしょうか?』

「まず間違いなくそうだろうな。……どうする?」

「どうするって……どうするんスか?」


翔がそういうと、直樹が「僕に聞かれても」といった顔でさくらをみる。


「私から言い出したのに、私に目標を立てさせるの? まぁいいけど……」


一度口を閉じる。

そして、少し考えてから話し始めた。


「とにもかくにも、護衛艦『しなの』を取り戻さなきゃいけない。たとえ環境やCICを取り戻しても、あの浸水じゃ進めない可能性が高いから……そうだな、内村君とツバキは、いったんあの大穴をふさいでいてくれ」

「あの大穴をですか!?」

「ああ。適当でもいいから、とにかく浸水が無くなればいい」

「はぁ……」

「で、私と太田君、アイちゃんはほかの隊員の救助に行く。OK?」

「すごい一方的に決めるなこの人……」

「決めろって言ったのはそっちでしょうが! で、いいの!?」

「まぁ、はい……」

『了解しました』

「はい!」

「おっす」

「おっすはやめな? 仮にも階級上位者に……まあいいや、別れ!」


さくらがそういうと、5人は別れ、歩き始めた。


「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


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