最終階層
5人はさらに進んでいく。
あの大部屋の向こうは階段で、さらに下につながっていた。
「結局、護衛艦に残した隊員たちはいなかったな……」
「うーん……おそらく、ダンジョン化を解除したあとに、全員戻ってくるタイプの迷宮化魔法なのでしょう。迷宮化魔法には飲み込まれた人が階層内にいるタイプと、いないタイプの二つの種類がありますので……」
「へぇ……ちょっと待って? それだと、迷宮攻略後も……」
「護衛艦を探索することになりますね」
「まじか……」
「まっ、とにかく、話はこの迷宮を攻略してからです!」
アイはそういうと、階段を駆けおりていった。
「あっ、ちょっと待ってよ!」
そういってさくらが駆けおり、ほかの四人も、階段を駆け下りていく。
階段を駆けおりた先は、ガスタービンの並ぶ空間だった。
ここは……
「機関室か」
そう、さくらがつぶやく。
広い空間には数えきれないほどのガスタービンが整然と並んでいるが、奥の方はもやがかかっていて見えない。
おそらく、階層自体は広い空間だが、全域を俯瞰できないようになっているのだろう。
床は金属製で、靴底がわずかに鳴り響く音が、無機質な空間に小さな生命感を与えている。
湿った空気が漂い、どこか古びた油の匂いが鼻をつく。
もやのせいで視界は奥まで届かないが、遠くから時折、機械の低い唸り声のような音が聞こえてきた。
もととなったであろう護衛艦「しなの」がガスタービン四基であるのに対し、この空間にはとんでもない数のタービンが並んでいた。
おそらく、日本中からガスタービンを集めたとしても、これほどの量にはならないだろう。
とにかく、その広い機関室をまっすぐと歩いていく。
先ほどの階層とは違い、迷路感は少なかった。
「ん、なんだこれ」
しばらく進んでいくと、ガスタービンではない機械があった。
何やら大きな機械で、アンテナのようなものが付いている。
また、稲妻マークの書かれたレバーも取り付けられていた。
「魔力の感じからして、迷宮化後に作られた機械ですね。魔術によるものではありませんが」
「なるほど……?」
そういいながら、さくらはその機械をこんとたたく。
「電源切ってみる?」
「ま、やってみてもいいんじゃないです? どうせ敵の設備だし」
「そうだね。じゃ、切ってみる」
言って、さくらはレバーを降ろした。
機械からは駆動音が失われるものの、特に何かが起こった気はしない。
「なんだ、つまらないの」
「まーいいでしょう。とりあえず、進みますかぁ」
そういって、直樹は再度歩き始めた。
***
「思ったより小さそうですね、このダンジョン。基地の規模の影響でしょうか」
機関室エリアを歩きながら、アイがそういった。
「でも、横須賀基地は日本でも有数の巨大基地だよ?」
さくらがM4カービンを構え、周りを警戒しながら答える。
機関が多いため、それに比例して物陰も非常に多いのだ。
物陰から魔物や、敵兵が飛び出してくる可能性もある。警戒するに越したことはない。
「じゃあ魔法の効果が思ったより低かったんでしょうか……魔力の感じからして、この階層が最終階層ですし」
「そんなことわかるんだ……」
「ええ。魔力量がじわじわと増えていきますからね」
「ふぅん」
五人は進む。
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
などと思ったら、
下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。
面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!
ブックマークや感想もいただけると本当にうれしいです。
何卒よろしくお願いいたします。




